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[S06-11]Estimation of the 3D seismic velocity structure around the Ata caldera, Kyushu, Japan, based on seafloor and onshore seismic observations

*Yukihiro NAKATANI1, Hiroki Miyamachi1, Reiji Kobayashi1, Hiroshi Yakiwara1 (1. Graduate School of Science and Engineering, Kagoshima Univ.)
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九州南端に位置する阿多カルデラは,鹿児島湾中央部の阿多北カルデラと湾口部の阿多南カルデラから構成されると考えられている.北カルデラは約110 kaの阿多火砕流の給源,南カルデラは約240 kaの阿多鳥浜テフラの噴出源であると推定されているが,南北カルデラの正確な位置や構造については,カルデラの大部分が海域下にあるため明らかになっていない.
 本研究では,阿多カルデラ周辺の3次元地震波速度構造を推定し,カルデラ下のマグマ供給系の解明を目的として,2021年から南九州において臨時の海底および陸上地震観測を実施してきた.海底地震観測では,毎年3月から7月の約4か月間,鹿児島湾中央部から湾口部にかけて,固有周波数4.5 Hzの自己浮上式海底地震計を6~7台設置した.陸上地震観測では,既存のリアルタイム観測網でカバーできない観測空白域を補うため,4.5 Hz計を用いた臨時オフライン観測点を設置している.現在,臨時陸上観測点は22地点あり,ほぼ通年の観測を実現している.
 3次元地震波トモグラフィー解析にはFMTOMO (Rawlinson et al., 2006) を使用した.FMTOMOでは,波線追跡に波面法を用いているため,カルデラ下の不均質構造に対しても安定した走時計算が可能となる.震源決定およびインバージョンの初期構造として,2021年のデータを用いてVELEST version 3.1 (Kissling et al., 1994) により推定した1次元速度構造を採用した.速度グリッド間隔は,観測点間隔を参照して南北0.1度,東西0.1度,深さ10 kmに設定した.震源は,鹿児島大学のルーチンカタログから選定した.対象領域内で可能な限り空間分布が一様となるように,地震活動に応じてマグニチュード閾値を調整している.選定した震源に対し,臨時海陸地震観測点およびリアルタイム観測点の波形データを用いてP波およびS波の到着時刻を手動検測し,観測点補正を導入した上で震源再計算を実行した.本稿投稿時点での地震数は786(2023年~2024年前半),P波・S波の走時データ数はそれぞれ39,111,18,614である.なお,インバージョンにおけるダンピングパラメタεとスムージングパラメタηについては,複数のパラメタ組合せでインバージョンを実行し,データの分散と解の分散/粗さとのトレードオフ曲線からε=100,η=50と決定した.本講演では,得られた最新の3次元走時トモグラフィー結果を示すとともに,チェッカーボード解像度テストや初期構造依存性の評価についても議論する.

謝辞:本研究は,九州電力株式会社との共同研究講座「南九州地殻構造共同研究講座」の一環として実施されました.海底地震計の設置・回収には,鹿児島大学水産学部附属練習船・南星丸を使用しました.乗組員の皆様,乗船された学生の皆様に感謝申し上げます.また,気象庁,防災科学技術研究所,地震予知総合研究振興会,鹿児島大学の連続地震波形記録を使用しました.記して感謝いたします.