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[S08-12]Upper-mantle earthquakes in Western US and 3-D velocity structure
*Ryo Tsunashima1, Dapeng Zhao1, Genti Toyokuni1, Sean J Hutchings2, Keith D Koper2 (1. Research Center for Prediction of Earthquakes and Volcanic Eruptions, Graduate School of Science, Tohoku University, 2. University of Utah)
一般的に地震は,主に脆性破壊によりモホ面以浅で生じる浅発地震(深さ0-60 km)や,周囲のマントルより冷たい沈み込んでいるスラブ内で生じるやや深発地震(深さ60-300 km)と深発地震(深さ300-680 km)に分類される.しかし,アメリカワイオミング州において2013年9月21日に,モホ面より20-30 km深い深さ約75 kmでM 4.8の地震が発生した(Craig and Heyburn, 2015).さらにこの周辺地域では過去に1979年の地震(深さ約90 km,M 3.8)をはじめとする上部マントル地震が計9個発生している(Hutchings et al., 2025).これらの上部マントル地震の震源は一次元速度モデルを用いて決定されており,より詳細な地下構造との対応や大陸リソスフェアの性質・ダイナミクスを知るためには,3次元速度モデルを用いた震源再決定が必要となる.本研究では,上記の9個の上部マントル地震について,以下の2通りの手法により震源再決定をおこなった.1つ目の手法は,Zhao et al.(2024)により推定された3次元地震波速度モデルを用いた震源再決定である.9個の地震についてUUSSカタログとUSGSカタログおよび手動により到達時刻が189個(P波:160個,S波29個)得られている(Hutchings et al., 2025).イエローストーンホットスポットを含むワイオミング州・ユタ州周辺の地表からマントル遷移層までについて3次元P波等方性速度・方位異方性・鉛直異方性トモグラフィー解析がおこなわれており(Zhao et al., 2024),それぞれのインバージョンにより推定された3つの3次元等方性速度成分を用いて震源再決定をおこなった.各地震の各モデルにおける震源再決定では,到着時刻に標準偏差0.1秒のガウス分布型のノイズを加えて100回再決定をおこない平均値を計算した.2つ目の手法は,震源再決定と速度モデル推定を繰り返しおこなう手法である.用いた観測データは,ISCカタログとUSArrayデータベースによる近地地震7714個のP波到達時刻283,695個と遠地地震12,522個のP波相対走時残差534,712個であり,観測点は443個である(Zhao et al., 2024).それらに上記の9個の地震のP波到達時刻160個を加えた.これらの近地地震と遠地地震のデータを同時にインバージョンして,3次元P波等方性速度・方位異方性・鉛直異方性トモグラフィー解析をおこなった(Zhao et al., 1994; Wang and Zhao, 2013).一次元初期速度モデルにおいて震源再決定した後に速度モデル推定をして,その後にまた震源再決定をして速度モデル推定をすることを数回繰り返した.解析の結果,上記の2通りの手法による震源の間には違いはほぼ見られなかった.9個の地震のうちほとんどの震源がHutchings et al.(2025)により推定された震源(以下HK2025と呼ぶ)の近く(<5 km)に推定されたが,いくつかは5-10 km程度離れて推定された.多くはHK2025よりもやや深く推定された.9個の地震のうちほとんどが高速度領域内または低速度領域と高速度領域の境界部分に位置し,低速度領域の端に位置するものも見られた.前者は,イエローストーンホットスポットの温めによる過去に沈み込んだファラロンスラブ残骸の脱水とワイオミングクラトン内の脆性破壊(Zhao et al., 2024),後者は塑性変形のthermal runaway(Thielmann, 2018)により発生した可能性がある.
