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[S08-13]Why Do Extremely Large Earthquakes Occur on Ultra-Low-Angle Faults?

*Satoshi IDE1, Mikito Furuichi2, DyeSK Sato3 (1. Department of Earth and Planetary Science, The University of Tokyo, 2. Research Institute for Value-Added-Information Generation, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 3. Research Institute for Marine Geodynamics, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)
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M9クラスの超巨大地震は沈み込み帯において、傾斜角約10度の超低角逆断層で起きる。断層が低角だと、深さで制約される地震発生層内の幅広い断層面に破壊すべりが広がりうるからである。但し、断層面の大きさは巨大地震の十分条件ではない。もう一つの条件として、広大な断層面を一気に破壊しつくす、言い換えれば破壊すべりが停止しにくいことが必要である。破壊すべりの止まりにくさは地震活動のb値と正相関する。実際Global CMTを用いて、世界の沈み込み帯の逆断層地震に対して、Gutenberg-Richter則のb値を傾斜角ごとに推定すると、傾斜角15度から35度までの間にb値は0.65から1.1まで急激に変化する。超低角逆断層では始まった破壊はとても止まりにくく、超巨大地震になりやすい。なぜだろうか?
近年b値と応力場の関係が明らかになってきた(e.g., Scholz, 2015)。小さいb値は大きな差応力の証拠と考えられているが、仮に応力場が一様でも、様々な向きの断層があれば様々な応力条件で地震が起きる。地震のメカニズムと応力場の関係を調べると、一般に応力場と地震のメカニズム解が調和的なほどb値が小さい。これは日本のF-net CMT解と推定応力場(Uchide et al., 2022)、Global CMT解の横ずれ地震とWorld Stress Map (Heidbach et al., 2018)の水平主応力軸、中央海嶺近傍の正断層地震の傾斜角などの例で確認することができる。b値は地震のメカニズムと応力場との適合性の指標とも考えられる。
このような応力場との適合性は、超低角断層での小さなb値を説明する。沈み込み帯では、単純なAnderson理論が成り立っておらず、広域の最大圧縮応力軸は20-40度傾いている(Hardebeck, 2015)。また超巨大地震の後にはその傾きが増す(e.g., Hasegawa et al., 2011)ことから、最大主圧縮軸の傾きは徐々に緩やかになるが、水平になる前に超巨大地震が起こりやすい(b値が小さくなる)傾きに達し、地震発生とともに傾きが戻るというサイクルをたどると考えられる。
実際の地震発生場には様々なスケールでの応力不均質があり、断層面の向きもさまざまである。どの断層で地震が起きるかは確率的にしかわからないが、地震の破壊すべりが始まってから、成長する(停止する)確率はb値と直結している。断層の3次元構造とスケール依存した3次元応力場のより良い理解によって、b値の時空間変動を用いた地震の確率的予測能力向上が期待される。