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[S15-01]A comparison of GMPEs for interplate earthquakes using the Strong Ground Motion Flat File

*Mitsuko FURUMURA1, Hiroto Tanaka2, Tsutomu Takahama2, Ritsuko S. Matsu'ura1 (1. Association for the Development of Earthquake Prediction, 2. Kozo Keikaku Engineering Inc.)
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1.はじめに
我々は、古村他(2024)で太平洋プレートのプレート間地震を対象とした地震動予測式の構築を行った。この式のパフォーマンスを確認するため、強震動データフラットファイル2023年版(防災科学技術研究所、以下「強震動FF2023」)のデータを用いて、加速度応答スペクトルの予測式の説明性を既往式とも比較して検討することにした。

2.検討方法
本検討では、強震動FF2023の震源パラメータファイルより、Mw6.5以上の地震タイプがプレート間地震として、Mw6.5~8.7の29地震を対象とした。観測記録は、K-NET、KiK-net地表観測点とした。強震動FF2023に含まれる断層最短距離Δ=27~1286kmのデータのうち、比較対象とする式の適用範囲内であるΔが200km以内の2,863記録の加速度応答スペクトルの値を用いた。
比較対象の式は、Morikawa and Fujiwara(2013)のModel 1の式(以下「MF13」)とSi et al.(2022、以下「SMK22」)である。古村他(2024、以下「ADEP」)とSMK22はRotD50を、MF13はRotD100を対象にGMPEを構築している。そのため、加速度応答スペクトルの観測値(強震動FF2023の値)と予測値の比較および残差の計算では、それぞれに対応する値を用いた。
3式で周期0.5、1.0、2.0、3.0、5.0秒での予測値を計算し、強震動FF2023のデータとの残差を求めた。地盤に関するパラメータ(Vs30、D1400等はJ-SHISによる)と以下のパラメータ以外は強震動FF2023による。
ADEP:マントルの厚さ。JIVSMから計算。
SMK22:Vs2500m/s以上となる深度Z2.5の値。本検討ではJ-SHISの深部地盤モデルでVs2700m/s以上となる深度(D2700)で代用。

3.検討結果
代表として周期1秒における残差とΔとの関係を図1に示す。Δ40km~200kmの範囲では3式とも残差は概ねゼロに分布し、図1(d)の残差移動平均をみるとADEPが3式の中間を推移している。なお、別途200km以遠のデータに対して残差を算出し、ADEPはいずれの周期でも500km程度の遠距離まで残差が概ねゼロに分布することを確認している。一方、Δ40km以内の近距離では3式とも残差が負の傾向となった。ただし、40km以内のデータは2011/03/11-15:15の茨城県沖の地震(Mw7.8)一つのみであり、この地震固有の傾向がそのまま結果に表れた可能性がある。
図2に周期1秒における残差について地震及び観測点毎の平均残差の空間分布を示す。東北地方において、ADEPは残差の偏りは少ないが、MF13とSMK22は前弧側で残差が正、背弧側で残差が負の傾向がみられる。ADEPはマントル厚さを用いた伝播経路の補正項が効果的に寄与したと考えられる。なお、MF13は震源深さ30km以深の地震に対して火山フロントからの距離を用いた異常震域の補正項を考慮しているが、対象としたプレート間地震は震源深さ30km前後が多いため補正項の寄与が小さいことが関係している可能性がある。また、南関東地方において3式とも残差が負の傾向がみられる。ただし、南関東の観測点は2、3記録であり、2011/03/11-15:15の茨城県沖の地震の影響が含まれることに注意が必要である。なお、この茨城県沖の地震は陸地に近く、断層モデルの設定如何でΔが大きく変わりうる。近距離での式の拘束については断層モデル自体の検討も必要と考えられる。
Δ200km以内の2,863記録で残差のRMSを求め、式間の比較を行った(図3)。検討した5つの周期ではADEPのRMSは周期によらずおおよそ0.3から0.4の間に求まり、3式の中で最も小さな値を示すという結果が得られた。

4.まとめ
同じデータセットを用いてADEPと既往の地震動予測式の残差を比較し、ADEP式の妥当性を検証した。既往式が構築に使用したデータを多く含む200km以内のΔのデータに限定しても、残差のRMSは既往式より小さい結果が得られた。しかし、データの少ない範囲(Δ40km以内など)や個別の地震や地域によっては残差に偏りも確認され、今後も検証を継続する必要があろう。

謝辞:本研究は「地震調査研究推進本部の評価等支援事業」の一部として文部科学省からの委託によって実施した。強震動データフラットファイル2023年版、J-SHIS、JIVSMのデータを使用した。図の作成にはGMTを用いた。