Presentation Information

[S15-13]Analysis of the SRCMOD Database to Improve Asperity Modeling for Strong Ground Motion Prediction

*Mitsutaka OHSHIMA1 (1. Planning and Administration Group, Planning Department, Institute of Technology, Shimizu Corporation)
PDF DownloadDownload PDF
【はじめに】断層面上のアスペリティの位置や面積は、周辺の地震動を大きく左右する。このため、地震動予測の高精度化にはアスペリティの設定の高度化が不可欠である。アスペリティの設定の高度化には、波形インバージョンなどにより得られる、実際の地震のアスペリティの情報を分析することが有用である。そこで本研究では、①地震モーメント(M0)とアスペリティの面積の関係、②アスペリティの等価半径とそのアスペリティにおける すべり量の最大値、③アスペリティの等価半径とそのアスペリティ の平均すべり量、④アスペリティの平均すべり量と最大すべり量の比、⑤Mwとアスペリティの個数、⑥M0と断層面上で n 番目(n=1~5)に大きいアスペリティの面積の関係などを調べた。 【データ・解析】Mai and Thingbaijam(2014)は、これまでに世界で発生した地震について、波形インバージョン等により得られた断層モデルのデータベース(SRCMOD)を公開している。本研究では、SRCMODのデータを用いて、前述の分析を行った。SRCMODに含まれる200地震の436個の断層モデルを分析した。アスペリティは、Murotani et al. (2008)の手順にしたがって各地震の断層モデルから抽出した。①、②、③は全データを用いた場合と、断層メカニズムごとのデータを用いた場合の両方について調べた。①~③、⑥について、回帰式と回帰式とデータの残差の標準偏差を求めた。 【結果と議論】M0とアスペリティの面積の関係について、全地震および断層メカニズムごとの回帰式を求めた。データのばらつきが大きく、断層メカニズムごとに得られた回帰式の95%信頼区間はかなり重複している。全地震について、アスペリティの面積はM0によらず全断層面積の18.4%となり、既往の研究(例えば、Sommerville et al., 1999、宮腰・他, 2001)と矛盾しない結果が得られた。地震動予測の際の断層モデルの設定では、アスペリティ を同じ面積を持つ円形クラックに置き換えて応力降下量やすべり量の設定を行うことがある(例えば、Irikura and Miyake, 20116)。弾性体中の円形クラックの変位量分布(例えば、Eshellby 1957)の解析解に基づけば、円形クラックの平均変位量と最大すべり量はその半径に比例する。SRCMODから抽出したアスペリティと面積が等しい円形クラックの半径と、そのアスペリティの平均すべり量、最大すべり量の関係を調べたところ、いずれも半径に比例する結果が得られた。また、アスペリティの平均すべり量、最大すべり量のいずれも、弾性論に基づくモードごとの平均すべり量、最大すべり量と概ね整合的であるものの、やや小さな値となる傾向が見られた。円形クラックモデル(例えば、Sato and Hirasawa, 1971; Madariaga and Ruiz, 2016)に基づく断層すべり量の最大値と平均値は、ともに円形クラックの半径に比例し、両者の比は3/2となる。本研究で求められたアスペリティの最大すべり量と平均すべり量の比の平均値は、1.41となり、円形クラックモデルによる比と近い値となった。これらは、アスペリティを等価な円形クラックとしてモデル化することの妥当性を示している。Mwとアスペリティの平均個数の関係はばらつきが大きく、Mw5.5-6.5、Mw6.5-7.5、Mw7.5-8.5、Mw8.5-9.5の範囲でそれぞれ2.7個、3.4個、3.1個、1.6個、標準偏差はそれぞれ2.6、4.1、3.3、1.6となった。かなりばらつきが大きいため、中央値、中央絶対偏差も合わせて求めた。前述のMwの範囲のそれぞれについて、中央値は2個、3個、3個、2個であり、中央絶対偏差は1、2、2、1となった。その他、断層面上で n 番目(n=1~5)に大きいアスペリティの面積は、いずれもその地震の M0の 2/3 乗に比例することが分かった。断層面上で n 番目に大きいアスペリティの面積とM0の回帰式の係数は、いずれもその 95%信頼区間に 2/3 を含む。これは、断層面上で n 番目(n=1~5)に大きいアスペリティの面積間の比率が、M0(地震規模)によって変わらないことを示している。発表では、そのような地震規模によらない一定の比の原因となる物理的な背景を考察するとともに、その物理的な背景から導出される理論値と本研究の結果を比較した結果とその考察も示す。 【謝辞】本研究ではSRCMOD(Mai and Thingbaijam, 2014)のデータを使用しました。図の作成にはGeneric Mapping Tools (Wessel et al., 2013)を使用しました。