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[S15-21]Case study of the relationship between microtremor and site amplification with neighboring reference site

*Yosuke NAGASAKA1, Atsushi Nozu1 (1. Port and Airport Research Institute)
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地震基盤から地表までの地震動の増幅率(以降サイト増幅特性という)を適切に評価することは地震動評価の重要な要素であるが,信頼性の高いサイト増幅特性を得るには地震観測を行う必要がある.しかし,サイト増幅特性は狭い範囲でも変動することが知られており,すべての対象地点で地震観測に基づくサイト増幅特性を評価することは事実上不可能である.そのため,常時微動のような簡易な観測によって地震動のサイト増幅特性を評価できれば有用であり,これまでに多くの研究が行われている.従来,常時微動はピーク周波数についてのみ信頼性が高く,サイト増幅特性の振幅の評価には不十分とされてきたが,既往研究によると常時微動によってサイト増幅特性の振幅を含めてある程度評価できる可能性が示唆されている.例えば,サイト増幅特性が既知の地点を参照地点として,その地点と近隣地点の常時微動の水平動のフーリエスペクトル比を用いて評価する方法がある(Perron et al., 2018等).また,最近ではニューラルネットワーク(Pan et al., 2022)や補正関数(Kawase et al., 2019)により常時微動H/Vから直接サイト増幅特性を求める方法も提案されている.地震動予測式に常時微動の情報を用いる試みも行われている(Chao et al., 2021,Pinilla-Ramos et al., 2023等).理論的には,拡散波動場の入射を仮定すると常時微動H/Vと載荷点と観測点が同一の場合のグリーン関数に関係があることが導かれる(Sanchez-Sesma et al., 2011).
本検討では,近隣に常時時微動とサイト増幅特性の両方が既知である地点がある場合に,常時微動からサイト増幅特性を推定するための検討を行った.近接した地点間でサイト増幅特性が異なるいくつかの港湾および周辺の地点を対象として常時微動H/Vとサイト増幅特性の関係を比較した.近接する地点間を対象とした理由は,近隣参照地点の常時微動H/Vとサイト増幅特性の関係を用いることにより,単点のみで常時微動からサイト増幅特性を推定するよりも推定精度が向上するだろうと考えたためである.また,日本では検討対象地点の近隣にサイト増幅特性が既知である強震観測点があることは十分現実的な条件であるものの,このような条件での研究が少ないためである.
本検討の対象地点は,相馬港,輪島港,飯田港,志布志港とその周辺地点とした.今後検討対象を増やす予定である.これらの港では地方整備局や自治体の協力により著者らにより臨時の地震観測が行われており,港湾を含む3 km以内の範囲で既設強震観測点を含めて複数地点で強震観測記録が得られている.また,これらの地域では,数kmの範囲でサイト増幅特性が明確に異なることが確認されている.本検討では,相馬港は相馬-O,輪島港はISK003,飯田港はISK002,志布志港は志布志-Uをサイト増幅特性が既知である参照地点として,これら地点のサイト増幅特性に臨時観測点との常時微動H/Vの比を掛けることで,地震記録を用いて別途評価した臨時観測点のサイト増幅特性をどの程度再現できるか調べた.なお,輪島ではJMA輪島も対象地点とした.その結果,相馬港,輪島港,志布志港の臨時観測点ではピーク周波数周辺で常時微動H/Vの比を用いた評価と地震記録によるサイト増幅特性がよく一致し,サイト増幅特性の近隣地点間の比と常時微動H/Vの近隣地点間の比が類似していることが確認された.一方,飯田港観測点とISK002では,増幅率の大きい低周波数帯で再現性が低かった.今後の課題としては,対象地点の拡大や適用範囲の解明,また本検討の方法に限らず常時微動からサイト増幅特性を評価するより良い方法の検討等が挙げられる.
謝辞:港湾地域強震観測,防災科学技術研究所,気象庁の強震観測記録を使用しました.臨時地震観測には東北地方整備局,北陸地方整備局,九州地方整備局,珠洲市にご協力いただきました.