Presentation Information
[S21-06]Internal structure exploration of cometary nucleus in Next Generation Sample Return mission
*Naoya Sakatani1, Taichi Kawamura2, Satoshi Tanaka1, Atsushi Kumamoto3, Yuri Shimaki1, Hiroyuki Kurokawa4, Tatsuaki Okada1 (1. Japan Aerospace Exploration Agency, 2. IPGP, 3. Tohoku Univ., 4. Univ. of Tokyo)
現在宇宙科学研究所のワーキンググループとして活動している次世代小天体サンプルリターン (NGSR) 計画は,木星族彗星 289P/Blanpain をノミナルのターゲットとし,サンプルリターンに加えて内部構造探査を科学探査の一つの柱として掲げている.原始惑星系円盤内のダストから太陽系内天体に至るまでの成長過程におけるミッシングピースは,惑星形成の出発点である微惑星の形成である.マイクロメートルサイズのダストが集積してキロメートルサイズの天体(微惑星)が形成する過程には,円盤ガスの抵抗による中心星(太陽)への落下や付着成長限界といった障壁が存在する.ダストがこれらの障壁を乗り越え直接合体成長を経て微惑星が誕生したのか,もしくはあるサイズで付着成長の止まったダスト集合体(ペブル)が何らかのメカニズムでかき集められて微惑星(ぺブルパイル)へと至ったのか,多くの理論モデルが提唱されているが,決定的な物証がなく,結論が出ていない.はやぶさ,はやぶさ2は,惑星の材料となった物質の化学的情報を記録する貴重な試料を地球に持ち帰ったが,リュウグウのような小惑星はより大きな母天体の段階において水岩石分化や水質変成を経験し,かつ母天体の大規模破壊後の再集積(ラブルパイル天体)を経験しており,微惑星形成の物理的情報の多くが失われている.このような微惑星集積過程の痕跡は,始原的特徴を色濃く残す彗星の内部に眠っていると考えられており,NGSRでは彗星の内部構造探査を実行する計画である.
彗星内部構造探査のために,表面設置型・長期観測地震計ユニットの開発を進めている.地震計ユニットは DragonFly ミッションに搭載される短周期地震計をセンサとし,3軸のジオフォン,バッテリー,エレキ,通信機,太陽光パネル,分離機構およびそれらをまとめる筐体から成る.地震計ユニットはおよそ3AUの太陽距離で探査機から分離され表面に最低2台設置された後,近日点を含めた長期間の観測を行う.その間,はやぶさ2で実績を持つ人工衝突装置(SCI)やサンプル採取のための探査機のタッチダウンなどの人工震源を使用して地震計ユニット接地地点付近の弾性波速度構造を制約する.また,散乱特性の周波数依存性データが取得できれば,彗星構成物質のスケール情報(例えばラブルパイルであれば数メートル)を制約することも期待できる.加えて,長期モニタリングによって太陽加熱によるガスの噴出など彗星特有の物理現象の理解へも貢献する.取得したデータは探査機を通じて地球へ送られる.
NGSRでは上記地震探査に加えて,周回子機を用いたバイスタティックレーダー探査も計画している.レーダー探査では親機と子機で彗星を挟み込み,親機から送信したレーダーパルスを子機で中継し,再度親機で受信することで彗星内部の誘電率分布やそのコントラスト (反射面 or 間隙)の位置や大きさを調査する.
本講演では NGSR ミッションの概要,彗星内部構造探査のシナリオ,地震計ユニットを中心とした装置開発の状況について報告する.
彗星内部構造探査のために,表面設置型・長期観測地震計ユニットの開発を進めている.地震計ユニットは DragonFly ミッションに搭載される短周期地震計をセンサとし,3軸のジオフォン,バッテリー,エレキ,通信機,太陽光パネル,分離機構およびそれらをまとめる筐体から成る.地震計ユニットはおよそ3AUの太陽距離で探査機から分離され表面に最低2台設置された後,近日点を含めた長期間の観測を行う.その間,はやぶさ2で実績を持つ人工衝突装置(SCI)やサンプル採取のための探査機のタッチダウンなどの人工震源を使用して地震計ユニット接地地点付近の弾性波速度構造を制約する.また,散乱特性の周波数依存性データが取得できれば,彗星構成物質のスケール情報(例えばラブルパイルであれば数メートル)を制約することも期待できる.加えて,長期モニタリングによって太陽加熱によるガスの噴出など彗星特有の物理現象の理解へも貢献する.取得したデータは探査機を通じて地球へ送られる.
NGSRでは上記地震探査に加えて,周回子機を用いたバイスタティックレーダー探査も計画している.レーダー探査では親機と子機で彗星を挟み込み,親機から送信したレーダーパルスを子機で中継し,再度親機で受信することで彗星内部の誘電率分布やそのコントラスト (反射面 or 間隙)の位置や大きさを調査する.
本講演では NGSR ミッションの概要,彗星内部構造探査のシナリオ,地震計ユニットを中心とした装置開発の状況について報告する.
