日本原子力学会

ナトリウム冷却高速炉では、周囲空気との化学反応性が高い液体ナトリウムが冷却材として使用される。したがって、配管破損などにより液体ナトリウムが漏れた場合、空気中の酸素や水分と反応して深刻な火災事故につながる可能性がある。温度と圧力が著しく上昇すると、格納容器などの重要な構造物への影響が懸念される。現在、ナトリウム漏出による火災の影響を評価するため、数値解析コードの開発が広く進められている。しかし、その数値解析コードを有用に使用するためには漏れた液体ナトリウムの挙動について把握する必要がある。そこで、本研究では、漏れた液体ナトリウムが噴流の形態をとると考え、様々な条件でハイスピードカメラによる液体噴流の可視化を行った。また、液体噴流を平らなプレートにノズルから噴射し液体の飛散量を測定した。そして、その結果から粘性の影響を考慮した飛散量を予測する無次元方程式を提案した。