講演情報
[CP1-2]内視鏡医療におけるタスク・シフト/シェアの実践とその効果
○篠澤 亜美 (医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 看護師長)
近年、医療技術の進歩により、低侵襲かつ高精度な診断・治療が可能な内視鏡医療が注目されている。特に高齢化が進む日本において、内視鏡医療は中核的役割を担っており、2040年問題を見据えた対応力強化が求められている。当センターでは、看護師が患者ケアに加え、機器・薬剤管理など多岐にわたる業務を担っており、業務整理と人材育成が課題となっていた。これらの課題に対し、持続可能な医療提供体制の構築を目的に、2019年よりタスク・シフト/シェアを推進してきた。
タスク・シフト/シェアの推進は、看護部を中心に医師・薬剤師・臨床工学技士と連携し、まず薬剤師と連携し薬剤トレイの導入により薬剤関連業務の効率化を図った。臨床工学技士との連携では、治療介助と機器管理の業務分担を検討したが、当初は業務理解の不足からコンフリクトが生じた。そこで、各職種の専門性や役割を可視化し、目標達成に向けた協働意識を醸成することで、チームとしての行動変容が見られた。
また、内視鏡治療における介助者育成は、職種ごとの教育が進められていたため、教育機会の偏りや支援者不足が生じていた。これに対し、共通の教育プログラムを導入し、進捗を共有しながら職種を超えて支援する体制を構築した。さらに、医師を交えた会議で現状の課題を共有し、改善に取り組んだ。日々の業務調整では、検査件数や難易度に応じた介助者選定と人材育成の視点を取り入れ、柔軟な対応を可能とした。
これらの取り組みにより、質の高い介助者の育成、リカバリー室への看護師配置が実現し、安全で質の高い医療提供に繋がった。さらに、計画的な教育の実践によりスタッフのモチベーションが向上し、次のステップに向けた主体的な取り組みがみられた。その結果、検査運用の柔軟化が進み、検査・治療終了時間は平均30分短縮するなど、医師の業務負担軽減や検査件数の増加にも寄与した。
本セッションでは、内視鏡医療におけるタスク・シフト/シェアの具体的実践とその成果を紹介し、2040年問題を見据えた持続可能な医療体制構築に向けた課題と展望を考察する。
タスク・シフト/シェアの推進は、看護部を中心に医師・薬剤師・臨床工学技士と連携し、まず薬剤師と連携し薬剤トレイの導入により薬剤関連業務の効率化を図った。臨床工学技士との連携では、治療介助と機器管理の業務分担を検討したが、当初は業務理解の不足からコンフリクトが生じた。そこで、各職種の専門性や役割を可視化し、目標達成に向けた協働意識を醸成することで、チームとしての行動変容が見られた。
また、内視鏡治療における介助者育成は、職種ごとの教育が進められていたため、教育機会の偏りや支援者不足が生じていた。これに対し、共通の教育プログラムを導入し、進捗を共有しながら職種を超えて支援する体制を構築した。さらに、医師を交えた会議で現状の課題を共有し、改善に取り組んだ。日々の業務調整では、検査件数や難易度に応じた介助者選定と人材育成の視点を取り入れ、柔軟な対応を可能とした。
これらの取り組みにより、質の高い介助者の育成、リカバリー室への看護師配置が実現し、安全で質の高い医療提供に繋がった。さらに、計画的な教育の実践によりスタッフのモチベーションが向上し、次のステップに向けた主体的な取り組みがみられた。その結果、検査運用の柔軟化が進み、検査・治療終了時間は平均30分短縮するなど、医師の業務負担軽減や検査件数の増加にも寄与した。
本セッションでは、内視鏡医療におけるタスク・シフト/シェアの具体的実践とその成果を紹介し、2040年問題を見据えた持続可能な医療体制構築に向けた課題と展望を考察する。