講演情報
[39]日本の都市・地域名称を冠する施設・店舗の国際的分布-大規模POIデータに基づく国や地域・業種別の実態比較
○清水 宏樹1 (1. 株式会社竹中工務店 技術研究所 社会価値創造研究部)
キーワード:
地名、POIデータ、都市イメージ、都市ブランディング
国際的な都市間競争が激化し、戦略的な都市ブランディングが求められる中、国外で形成される都市・地域イメージを把握する重要性が高まっている。これまで、その把握にはアンケート調査や口コミデータの分析などが主に用いられてきた。本研究では、これらとは異なる視点として、都市・地域名称が国外の商業施設や店舗の名称に「借用」される現象に着目した。世界規模のPOIデータを用い、日本の11地名を冠する国外の施設・店舗を分析した結果、「東京」が突出して多く用いられる一方、地名ごとに特徴的な使われ方も確認された。例えば東南アジアでは、「北海道」が乳製品や菓子類、「京都」がカフェ業態と結びつく傾向がみられた。また、日本地名の借用は飲食業に多く、日本らしさや真正性を示すために用いられる一方、地域イメージの一部が抽象化されて利用されたり、本来の文脈を離れて現地で独自に意味づけられたりする例もみられた。こうした事例は、地名の借用が、国外における都市・地域イメージの一側面を読み解くための補完的な手がかりとなる可能性を示している。
