講演情報
[2]居場所づくりを志す個人が「開設」・「常設」・「非開設」に至る過程と要因-認定NPO法人こまちぷらすが行う「居場所づくり講座」受講者に着目して
○鳩貝 優太1、藤井 さやか2 (1. 株式会社リビタ、2. 筑波大学システム情報系・教授)
キーワード:
居場所、担い手、開設・運営支援、コミュニティ支援
近年深刻化する孤独・孤立問題の解決策として注目される「居場所」について、その開設・運営を志す個人のプロセスを分析した。認定NPO法人こまちぷらすが実施する「居場所づくり講座」の受講生12グループを対象とした調査により、以下の知見が得られた。居場所の「開設」を可能にするのは、運営者自身の原体験に基づく明確な動機の発信と、過去の職歴を活かしたネットワーク、公的施設や既存物件の活用による固定費の抑制である。「常設化」に至るには、非常設期の実績による信頼構築に加え、想いを事業計画に翻訳し資金調達等を支援する「実務的パートナー(商工会等)」の存在が不可欠である。活動に至らない「非開設」の背景には、運営者自身がケアを必要とする状況や、不特定多数を対象とする場づくりへの適性のミスマッチがある。常設化に至らない事例では、私的な支援への集中、制度の狭間にある活動ゆえの公的助成獲得の困難さが障壁となった。今後、居場所の持続可能性を高めるために、福祉・公益分野の支援に加え、商工会や金融機関等による創業・経営支援との接続、運営者の苦手分野を補完する仲間づくりのマッチングが重要である。
