講演情報

[61]北陸新幹線金沢延伸前後における地域間人口移動パターンの変化-北陸3県と東京圏との移動関係に着目して

○丸山 洋平1、吉次 翼2 (1. 国立社会保障・人口問題研究所、2. 株式会社 博報堂)

キーワード:

人口移動、北陸新幹線、間接標準化、モビリティ比、モビリティ比相対較差

北陸新幹線金沢延伸は、交流人口の増加を背景に、地方創生の成功例の一つとして評価されてきた。その一方で、居住地変更を伴う人口移動への影響については、これまで十分な検証が行われてこなかった。本研究は、住民基本台帳人口移動報告を用い、間接標準化に基づく「モビリティ比相対較差」を分析指標として、北陸地域全体、北陸3県、および沿線主要都市における延伸前後の人口移動パターンの変化を分析した。分析の結果、延伸前の水準(2012~2014年)を基準とした場合、延伸後に東京圏から北陸地域への転入拡大は明瞭には確認されず、むしろ北陸地域から東京圏への転出拡大が、いずれの地域全体、県別、主要沿線都市別のいずれの地域スケールにおいても確認された。以上より、本分析の対象期間において、北陸地域と東京圏の人口移動関係は東京一極集中を是正する方向には変化しておらず、大規模な交通インフラ整備が交流人口と居住地移動に及ぼす効果は、必ずしも一致しないことが示唆された。