講演情報

[40]1970 年代後半からバブル期までのワンルーム住宅の投資商品化とその展開-マルコー社のリースマンションに着目して

○髙野 広海1、中島 直人1、吉江 俊1 (1. 東京大学大学院工学系研究科)

キーワード:

ワンルーム、リースマンション、マルコー、単身世帯

本研究は、リースマンションの先駆的事業者であるマルコーに着目し、ワンルーム住宅の投資商品化のプロセスとその背景にあったビジョンを明らかにした。マルコーは単身者向けの洋室・バス・トイレ付き住戸というニーズを具現化してリースマンションを開発し、システム化された販売・管理体制と節税ナラティブにより急速に普及させた。一方で1980年代中盤以降、マルコーは不動産業をソフトウェア産業として再定義し、住宅市場から排除された人々への住宅供給というビジョンのもと、多様なコンセプトの住宅開発を行った。また、ニュービジネスと称される様々な新規事業を開発・出資し、包括的なラフスタイル創出を目指した。ただしこのアプローチは地価上昇を前提とした限界性を有していた。バブル崩壊後、マルコーが持っていたビジョンは失われたが、その黎明期の思想は、多様化する単身者向け住宅政策を再考するための手がかりとなる。