講演情報

[53]地域住民による来訪者受け入れの実態とそのサポートの仕組みに関する研究-NPO法人シクロツーリズムしまなみのサイクルオアシスを事例に

○桑木 奏1、福本 優2、青木 嵩3、岡 絵理子4 (1. 関西大学大学院理工学研究科、2. 兵庫県立大学自然・環境科学研究所、3. 大阪大学大学院工学研究科、4. 関西大学環境都市工学部)

キーワード:

観光、サイクリスト、地域住民、サイクルオアシス、今治市、しまなみ海道

近年、観光需要の増大によるオーバーツーリズムが問題視される中、地域住民が主体となり、無理のない範囲で内発的に来訪者を受け入れる枠組みが求められている。本研究は、この課題に対する実践的モデルとして、しまなみ海道における「サイクルオアシス」整備事業に着目し、持続可能な来訪者受け入れの仕組みを解明することを目的とする。
 行政、NPO、地域住民の三者連携の実態を、制度・空間・担い手の観点から分析した。結果として、本システムは既存の空間を活用することで受け入れ側の実務的負担を最小限に抑えていることが明らかになった。また、担い手の参画動機は多様であり、「やりがい型」「サポート型」「本業親和型」の3層に大別された。
 本事業が持続・拡大している最大の要因は、NPOと行政が互いに役割を補完し、画一的なルールや過度な制度化を避け、担い手の多様な動機と内発性を尊重する支援体制にある。本研究は、住民に過度な負担を強いることなく自発的な参加を引き出し、持続可能な観光まちづくりを構築するための重要な実践的示唆を与えるものである。