講演情報

[58]LRTの価値評価構造とその規定要因に関する研究-開業前後の都市比較を通じて

○新里 夕輝1、有賀 敏典1 (1. 千葉大学)

キーワード:

非利用価値、仮想評価法、階層分析法、宇都宮市、那覇市

本研究では,LRTの価値のうち直接利用価値以外の価値に着目し,その価値評価の構造と規定要因を,開業段階の違いを踏まえて体系的に明らかにすることを目的とした.新規路線としてLRTが2023年に開業した宇都宮市と,LRT導入を検討している那覇市を対象にアンケート調査を実施した.その上で,仮想評価法(CVM)を用いて支払い意思額(WTP)を計測し,価値の大きさを規定する要因を検証するとともに,階層分析法(AHP)を用いてその背景にある価値項目ごとの重視度を算出した.さらに,WTPとAHPの結果を対応づけて整理することで,どの価値項目が全体の価値評価と結びついているのかを検討した.
その結果,LRTに対する支払い意思額は,空間的条件よりも心理的要因によって強く規定されることが示された.また,直接利用価値以外の価値項目のうち,開業前後で重視される項目は異なるものの,特定の価値項目を重視する属性ほど,相対的に高い支払い意思額を示す傾向が確認された.