第35回設計工学・システム部門講演会

講演プログラム

特別講演       2025年9月4日(木)16:30-17:30

「パーソナライズ・フード

味覚メディアが導く食のフロンティア」

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科
教授・学科長
 宮下 芳明


 味を記録・再生し、遠隔で共有するなど、味覚を自在に操る――これが「味覚メディア」の世界です。味覚をデータ化すれば、希少な食材の再現、アレルギー対応食の創出、健康ニーズに沿った味調整すべてが可能になります。電気を用いて減塩食を濃い味に感じさせる食器「エレキソルト」や、熟成度を自在に操る「味のタイムマシン」は、その一端です。さらに、生成AIによる味の調合により、個々人に最適化されたパーソナルフードを実現し、新たな価値をもたらす「味の生成市場」を拓く可能性があります 。本講演では、豊富な映像を用いながらこうしたビジョンについて述べるとともに、着想や社会実装のための工夫なども披露したいと思っています。

講演者略歴

イタリア国フィレンツェ生まれ。千葉大学 工学部で画像工学を、富山大学大学院 教育学研究科で音楽教育(作曲)を学ぶ。北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 博士後期課程修了、博士(知識科学)。2007年より明治大学に着任。

「味覚メディア」「テレテイスト」「テレイート」の概念を具現化したプロジェクト「Taste the TV(TTTV)」が総務省「異能vation」に採択。NTTドコモ・H2Lと共同で味覚共有技術「FEEL TECH」を開発。女優の綾瀬はるかさん主演のテレビCMで注目を集める。電気で減塩食品の塩味を強めるスプーン「エレキソルト」をキリンホールディングスと開発・販売。内閣府オープンイノベーション大賞の 日本学術会議会長賞を 受賞。CES2025にてイノベーションアワードを2部門で受賞。2025年からはアサヒグループジャパンとともに、個々の味覚・嗅覚・栄養ニーズに基づく新しい食体験の創造も目指している。

2023年にはイグ・ノーベル賞(栄養学)を受賞。著書に「13歳から挑むフロンティア思考イグ・ノーベル賞受賞者が明かす「解なき世界」を生き抜くヒント」等がある。

 

『藤森慎吾さんが衝撃の味体験!

 イグ・ノーベル賞を受賞した宮下芳明教授の研究室とは? 明治大学』