特別講演・基調講演
特別講演
小栗上野介忠順の思いと横須賀製鉄所
- 日本のものづくりはもう勝てないのか!? -
講師:浅川 基男 氏 (早稲田大学 名誉教授)
日時:2026年11月27日(金)
会場:井深大記念ホール
【概要】
幕臣小栗上野介忠順は1860年33歳の時,大老・井伊直弼の推挙を受けて,幕府遣米使節の実質的なリーダーとして渡米,ワシントン海軍工廠を見学して驚嘆,この見聞をもとに帰国後の8年間,幕閣を説得して,フランスによる横須賀製鉄所(造船所)建設の大英断を下した.1968年,幕府側から新政府側に引き継がれたが,このことを見通したように,「これで幕府が売り家になっても蔵付きになる.製鉄所という立派な蔵を造ったという名誉が残る」と語っていた.高崎で隠棲生活中の小栗を新政府は捕縛し,1868年に斬首に処した. 明治になり,大隈重信は,“明治の近代化は,ほとんど小栗上野介の構想の模倣に過ぎない”と述懐した,「造船およびものづくり大国日本」となったその第一歩が小栗の横須賀製鉄所から始まったともいえる.2027年NHKの大河ドラマに小栗忠順を主人公とした「逆賊の幕臣」 の放送が決定されている.
基調講演1
流体工学を社会へつなぐ
― 異分野連携時代における研究者の挑戦と可能性 -
講師:渡辺 重哉 氏 (国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
日時:2026年11月27日(金)
会場:井深大記念ホール
【概要】
流体工学は,流体機械や輸送機械の高度化を通じて社会の発展に大きく貢献してきました.一方,地球温暖化対策や防災・減災といった今日的な社会課題は,社会の複雑化・高度化に伴い,単一分野の深化だけでは解決が困難になっています.本講演では,流体工学を起点に異分野技術やユーザと連携し,研究成果を社会課題解決に向けて展開してきた事例(リブレットの実用化,航空機電動化等)を紹介することを通じて,その過程で直面する課題や,研究者・技術者が意識すべき着眼点や姿勢について共有します.さらに,宇宙産業の基幹産業化を目指す「宇宙戦略基金」という新制度の背景や狙い,今後の展望について解説し,宇宙分野への新たな研究展開を考える上でのヒントを提供します.
基調講演2
次世代船舶の開発状況および展望
講師:川北 千春 氏 (国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))
日時:2026年11月28日(土)
会場:井深大記念ホール
【概要】
国際海運分野では2050年ネットゼロに向け,水素・アンモニア等の次世代燃料を用いた船舶の開発が加速している.本講演では,我が国における次世代船舶の開発動向を概観するとともに,水素燃料船・アンモニア燃料船を中心とした実証・研究開発の最新状況を紹介する.特に,燃料供給,冷却,再液化,排気後処理等に関わるターボ機械・流体機器技術や船舶の摩擦抵抗低減技術や風力推進といった省エネ技術に焦点を当てた技術を紹介する.さらに,将来の社会実装に向け,船舶システム全体最適の観点からターボ機械分野に期待される役割と今後の展望について議論する.
