講演情報

[P-078]「【OF-5 準拠】オーラルフレイルチェック」の開発(第2報:調査)

○齊藤 朋愛1、新家 信行1、畑 陽子1、城戸 雅和1 (1. 福井県坂井地区歯科医師会)
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【目的】
 Oral Frailty 5-item checklist(OF-5)が公開されて,歯科医療専門職が不在であってもオーラルフレイル(以下,OF)の評価が可能となった。今回我々は,OF-5に質問項目を追加しスコア化することにより,ある程度のOFアセスメントを可能とするチェックプログラム,「【OF-5準拠】オーラルフレイルチェック」(以下,OF-5準拠チェック)を開発した。表計算ソフトEXCELを活用し,簡便にOFの有無,重症度,発現率,予防改善目標の呈示,口腔機能低下症のリスクの提示が可能となることを目指している。今回,地域住民のOFについてOF-5準拠チェックを用いて評価し,興味ある知見を得たので報告する。
【方法】
 福井県坂井地区構成市(あわら市,坂井市)介護予防支援事業における音楽体操教室参加者302人(男性18人,女性284人),健康講座参加者193人(男性70人,女性123人),フレイルサポーター33人(男性12人,女性21人),および市内歯科医院受診者568人(男性208人,女性360人)で,調査協力同意が得られた対象者1096人(男性308人,女性788人, 平均年齢73.6±8.9歳)にOF-5準拠チェックを用い調査を行った。
【結果と考察】
 OF-5, OF-5準拠チェックともに,70代を境に該当となる者の割合が増える傾向にあった。健康意識が比較的高いと思われる歯科医院受診者,フレイルサポーター,音楽体操教室参加者における各群比較では,フレイルサポーターの該当率が有意(P<0.01)に低かった。これはフレイルサポーターという専門性の高いボランティアであるためと考えられた。20の質問項目ごとのチェック数を比較すると,全ての対象群でOF-5に含まれる質問が高いチェック率であったが,それ以外では歯磨き回数不備の質問も多くチェックがついていた。 OF-5準拠チェックを使用することで, OFの兆候をより早期に発見し, スコア化によってより多面的な口腔機能の評価が可能となる可能性が示唆された。今回報告したOF-5準拠チェックのOFの早期発見,および口腔機能低下症へ精度向上のため,プログラムの設定見直しも含め,今後も継続して検討してゆく予定である。
(COI 開示:なし)
(坂井地区歯科医師会 倫理審査委員会承認番号 2024-1)