講演情報
[O-2-05]市販食品に対する主観的物性評価とオンライン公開
○刀祢 順子1,2,4、原 豪志2,1、並木 千鶴3、谷口 裕重1 (1. 朝日大学歯学部口腔病態医療学摂食嚥下リハビリテーション学分野、2. 衣笠あかり訪問歯科クリニック、3. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野、4. 社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院)
【目的】
不十分な食塊形成は,誤嚥や窒息のリスクを高める。そのため咀嚼嚥下機能が低下しているオーラルフレイル高齢者は安全な食品を選択する必要がある。そこで我々は,咀嚼を要する食品の物性を主観的に評価し,オーラルフレイル高齢者が安全に食品を選択できるよう咀嚼食品早見表を作成し,閲覧参加可能なウエブ公開をしたので報告する。
【方法】
被検者は20代から60代の健常者12名 (男性4名女性8名)で,職種は医師,歯科医師,歯科衛生士,栄養士,言語聴覚士であった。試験食材は市販の24品目を用いた。食品物性の官能評価は,かたさ,離水,まとまりやすさ,付着性,のどごし,口腔内残留感の6項目を5段階の順序スケール(1点が最低点,5点が最高点)を用いて評価した。各項目の点数の合計を評価者人数で除し,全項目の平均値,標準偏差を算出した。
【結果と考察】
官能評価は高い順にバナナ4.42,わらび餅4.37,萩の月4.21,プロセスリード4.12であった。これらの咀嚼回数はそれぞれ23.3回,21.7回,20.0回,29.5回であった。低い順では野菜サラダ2.99,サバの味噌煮3.21,マカロニグラタン3.22であり,咀嚼回数は31.2回,40.2回,37.7回であった。咀嚼嚥下の訓練食として用いられるプロセスリードと比較し,バナナ,わらび餅,萩の月,はそれよりも総合点が高く,食べやすい食品であると考えられた。また物性評価が下位の食品程,咀嚼回数が多い傾向にあった。食品の物性把握は安全な食品選択を可能にすることが示唆され,咀嚼食品早見表は,フレイル高齢者の常食の食品選択に有用であると考察された。本結果はオンライン公開し外部からの評価も可能である。
(朝日大学病院 倫理審査委員会承認番号:20203080COI開示なし)
不十分な食塊形成は,誤嚥や窒息のリスクを高める。そのため咀嚼嚥下機能が低下しているオーラルフレイル高齢者は安全な食品を選択する必要がある。そこで我々は,咀嚼を要する食品の物性を主観的に評価し,オーラルフレイル高齢者が安全に食品を選択できるよう咀嚼食品早見表を作成し,閲覧参加可能なウエブ公開をしたので報告する。
【方法】
被検者は20代から60代の健常者12名 (男性4名女性8名)で,職種は医師,歯科医師,歯科衛生士,栄養士,言語聴覚士であった。試験食材は市販の24品目を用いた。食品物性の官能評価は,かたさ,離水,まとまりやすさ,付着性,のどごし,口腔内残留感の6項目を5段階の順序スケール(1点が最低点,5点が最高点)を用いて評価した。各項目の点数の合計を評価者人数で除し,全項目の平均値,標準偏差を算出した。
【結果と考察】
官能評価は高い順にバナナ4.42,わらび餅4.37,萩の月4.21,プロセスリード4.12であった。これらの咀嚼回数はそれぞれ23.3回,21.7回,20.0回,29.5回であった。低い順では野菜サラダ2.99,サバの味噌煮3.21,マカロニグラタン3.22であり,咀嚼回数は31.2回,40.2回,37.7回であった。咀嚼嚥下の訓練食として用いられるプロセスリードと比較し,バナナ,わらび餅,萩の月,はそれよりも総合点が高く,食べやすい食品であると考えられた。また物性評価が下位の食品程,咀嚼回数が多い傾向にあった。食品の物性把握は安全な食品選択を可能にすることが示唆され,咀嚼食品早見表は,フレイル高齢者の常食の食品選択に有用であると考察された。本結果はオンライン公開し外部からの評価も可能である。
(朝日大学病院 倫理審査委員会承認番号:20203080COI開示なし)