講演情報

[C1-04]価格帯と地域の異質性を考慮した不動産価格決定要因分析

*彭 湛1、井上 亮1 (1. 東北大学)
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キーワード:

地域分析、賃貸住宅市場、空間的異質性、条件付き分位点

不動産価格は,面積や階数,築年数などの物件固有の属性に加えて,交通利便性や緑地・公共施設など周辺施設の立地など,場所に依存した要因の影響も受ける.これら場所で異なる社会経済条件の影響を受けて,価格決定要因の影響が場所によって変化する可能性がある.同時に,価格帯ごとに物件を志向する人々の価値観や選好が異なるため,価格帯ごとに価格決定要因の影響が異なる可能性もある.近年開発された,目的変数の条件付き分布の分位点における空間可変係数の推定手法を活用すると,価格帯と地域による異質性を同時に考慮した価格決定要因の影響を把握できると期待される.そこで本研究は,2021年の東京都心部のマンションの募集賃料を対象に,モラン固有ベクトルに基づく空間可変分位点回帰モデル(Moran’s eigenvector-based spatially varying quantile regression, MSVQR)を用いた分析を通して,賃料の決定要因が地域や価格帯ごとに異なることを明らかにした.