講演情報

[D6-02]人流データを用いた令和6年能登半島地震発生時の津波警報の効果評価

*永田 彰平1、足立 浩基1、マス エリック1、武田 百合子1、中谷 友樹1、越村 俊一1 (1. 東北大学)
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キーワード:

令和6年能登半島地震、津波警報、津波避難、人流

災害による人的被害を軽減するためには、人々の避難行動実施の促進が極めて重要である。警報の発令は、人々の避難を促進する一要素であるが、その効果についての定量的な理解は乏しい。本研究では、令和6年能登半島地震で津波注意報、津波警報、大津波警報が発令された日本海沿岸の自治体を対象として、警報発令前後での人口分布の変化を携帯電話基地局ベースの人流データを用いて解析した。その結果、津波警報や大津波警報が発令された自治体では、津波注意報の自治体と比べ、明確に津波浸水想定区域から人口が減少したことと、人口が高台および内陸に移動したことが確認された。それらの傾向は人々の避難行動に関連する諸地域変数で調整したのちも確認された。また、地域での津波避難計画の作成が大津波警報下での高台への避難を促進し、住民の流動性が低い地域では津波警報下での高台への避難が鈍化することが示唆された。