講演情報
[D6-04]高災害リスク地域内の住宅の買収・高床化施策が周辺住宅価格に与える影響
-ハリケーン・サンディ後のニューヨーク市を事例に-
*許 芮溧1、井上 亮1 (1. 東北大学)
キーワード:
買収・高床化、住宅価格、復興施策
気候変動に伴い高頻度・激甚化する自然災害リスクに適切に対応するには,適応策や災害復興施策の効果に関する定量分析が不可欠である.多くの既往研究は,高リスク地域からの転居に着目し,買収施策が残存世帯に与える影響として,空き地化でコミュニティが失われる負の効果や公共のオーペンスペースが増加する正の効果に注目した分析を行ってきた.しかし,もう一つの主要適応策である家屋の高床化に関する研究は少ない.そこで本研究は,ハリケーン・サンディ被災後のニューヨーク市において,地域毎に異なる復興施策が選択された要因と,各復興施策の地域内での影響の分析を目的とする.前者は,復興施策の予算配分と地域属性の関係を国勢調査区単位で分析し,地域分配構造やその平等性を評価する.後者は,主要被災地域で買収・高床化された住宅を把握した上で,傾向スコアマッチング法を通して各施策が周辺住宅価格に与えた影響を実証的に分析する.
