講演情報

[OEL04-1]低体重と呼吸器疾患

房 晴美 (羽衣国際大学人間生活部食物栄養学科)
管理栄養士
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士・評議員
南河内嚥下研究会代表 
【学歴】1980年 大阪府立公衆衛生学院栄養学科卒業
【職歴】1980年 日立家電販売株式会社回転機課入社
    1982 年 医療法人頌徳会日野病院 栄養科入職
    1991年 医療法人ラポール会 青山第二病院栄養科
    入職
    2013年 医療法人温心会 堺温心会病院栄養部入職
    2019年 医療法人恵泉会 堺平成病院栄養部(平成
        31年4月名称変更)退職
【現職】羽衣国際大学人間生活部食物栄養学科 非常勤講師 
    NPO法人はみんぐ南河内管理栄養士
【所属学会】 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
     日本在宅栄養管理学会
【賞罰】2007年5月 大阪府栄養士会太田いそ研究奨励賞受賞
    2013年11月 大阪府栄養関係功労者知事賞表彰
    2019年7月 厚生労働大臣表彰受賞
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)や間質性肺炎(interstitial pneumonia: IP)などの呼吸器疾患は、努力呼吸などによりエネルギー消費量が増大する上に、全身的炎症が体重減少や骨格筋量低下を引き起こす原因となっていることは広く知られている。その上、呼吸苦から食事摂取量が低下し、必要な栄養量が確保できずに低体重であるケースが多い。さらに、オーラルフレイルや嚥下障害などが食事摂取量の低下を引き起こしている。このことから、呼吸器疾患の患者への栄養管理の介入は重要である。特にCOPD患者においては、呼吸不全に陥る以前から栄養障害が認められているケースが多いため早期の栄養介入が必要である。COPD患者は、BMI21.5kg/m2以下の低体重を改善するために十分なエネルギー摂取を行い、少なくとも体重1kgあたり30~35kcal、体重増を図るなら体重1kgあたり45kcal必要と言われている。また、呼吸商の考えからエネルギー量の35~50% を脂質で摂取することが推奨されている。また、サルコペニアの進行を防ぐために、たんぱく質は体重1kgあたり1.2~1.5 gとされている。炭水化物は総エネルギー量の30~50%にして控えめにすることが望ましい。栄養指導では、複数の疾患を併存することも考慮し、必要なエネルギー量を確保するために少量頻回食、LESとし、n-3系脂肪酸も考慮した高脂肪食、食物繊維摂取、良質なたんぱく質の摂取、ビタミン・ミネラルと個々に応じた栄養指導を行う。しかし、現実的には食欲不振やオーラルフレイル、嚥下障害などにより食べやすい炭水化物中心の食事をとっているケースが多い在宅においての栄養介入について述べたいと思う。