講演情報

[OS03-3]在宅療養支援診療所における特定行為研修修了看護師の活躍~医師から見た実態~

大内 健弘 (医療法人社団平郁会 みんなの戸塚クリニック)
2014年 順天堂大学医学部医学科卒業
2014年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 初期臨床研修医
2016年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 呼吸器外科
2018年 国立がん研究センター中央病院 レジデント
2021年 医療法人社団平郁会 みんなの戸塚クリニック入職 現在に至る
本邦の少子高齢化は進行しており, 在宅医療の推進を図っている. その中で開始された特定行為研修制度は指定研修機関における特定行為研修を修了した看護師であれば, あらかじめ作成した手順書に基づいて特定行為(21区分38行為)を実施することができる制度である. 研修修了者は年々増加しており2024年9月から2025年9月の1年間で2,446人が研修修了し, 13,887人となった. 一方で診療所での勤務者は409人(3.5%)と就業場所には偏りがみられる. 当院は常勤医師5名, 訪問診療帯同看護師6名が在籍する在宅療養支援診療所である. そのうち看護師1名が在職中に在宅・慢性期領域のパッケージ研修を修了した(研修期間2021年7月-2022年6月). 2022年7月より特定行為を開始し, 現在は週2回みなし訪問看護として特定行為を行っている. 2025年6月までの3年間でのべ件数として気管切開チューブの交換256件, 胃ろう交換130件, 褥瘡処置454件の特定行為を行った. 特定行為研修普及の障壁には研修期間, 研修費用, 研修中の人員補助不足などが挙げられている. さらに制度の周知が進んでいないこと, 主治医の理解がないことも挙げられている. この度、日本在宅医療連合学会では「在宅医のための特定行為研修修了者活用ガイド」を作成した. このガイドによって特定行為の「行為」だけでなく, 研修修了者の臨床推論力, フィジカルアセスメント能力, 周囲への教育能力の高さへの理解が深まり制度が広まっていくことを期待している. 当院での経験と様々な立場からの研修修了者の活躍を共有し, 今後の課題と展望について考えていきたい. 本発表における内容について, 医療法人社団平郁会倫理委員会の承認を得ている(承認番号:2025-2).