講演情報

[OS04-1]2026年度改定で見えてきた在宅医療のカタチ:DXを「おっくう」から「お助け」に変える現場の処方箋 ~「大変」を「楽」にし、地域を支え続けるためのマインドセット~

稲生 迅人1,2 (1.一般社団法人 拠 みんなの在宅クリニック, 2.一般社団法人 日本在宅医療事務連絡会)
2015年1月 大型訪問診療クリニックを運営する医療法人に入職 、病児保育施設や重度心身障がい(児)者短期入所施設を併設する有床クリニック立上 、電子カルテのクラウド化や夜間当直室の開設などの効率化やICT化を実現
2018年12月 一般社団法人日本在宅医療事務連絡会理事就任
2019年9月 在宅医療コンサルタント「ともさぽ」設立
2020年4月 みんなの在宅クリニック開業、事務長として参加
2022年11月 一般社団法人 拠 代表理事に就任 現在に至る
【目的】 「骨太の方針2025」から2026年度診療報酬改定へと続く大きな潮流の中で、医療DXは単なるシステム導入の枠を超え、地域医療を継続するための「必須のインフラ」と定義されました。しかし、日々の現場では「制度対応への負担」や「デジタルとアナログの混在」による二重運用の苦悩が絶えません。本セッションでは、改定が目指す方向性を整理し、DXを「おっくうな義務」から、自分たちの業務を「楽」にする「お助けツール」へ変えるための視点を提示します。【内容】 今回の改定では、電子処方箋の普及や全国医療情報プラットフォームを介した情報共有など、データの「参照・活用実績」が評価の軸に据えられました。これは、限られた人的リソースで増大する在宅ニーズに応えるための「生産性向上」への切実な期待の裏返しでもあります。本演題では、以下の3点を中心に、在宅医療現場での「地に足のついたDX」のあり方を考えます。 1.情報の「見える化」がもたらす安心感:施設間のデータ連携が「現場での情報不足」というストレスを軽減し、臨床の質にどう寄与するか。 2.事務部門の役割をリデザインする:改定DXによる標準化を追い風に、事務スタッフが「入力作業」から解放され、多職種連携や経営管理の要として活躍するための課題。 3.地域を支える「道具」としての活用:医師不足や移動コスト増という物理的な壁を、テクノロジーを「使いこなす」ことでどう乗り越えるか。【結語】 DXは目的ではなく、私たちが地域で医療を続けていくための「新しい土台(OS)」です。本総論では、続く各論で示される具体的な実践事例を読み解くための「共通のレンズ」を共有し、明日からの現場を少しだけ楽にするためのヒントを提案します。