講演情報

[OS06-1]身寄りのない高齢者等を地域で支える仕組みづくり
―終活啓発と多職種連携による実践から考える―

村田 智美 (千葉県済生会習志野病院)
平成 5年 介護老人保健施設にぎたつ苑 支援相談員
平成14年 済生会松山病院 医療ソーシャルワーカー
平成16年 済生会松山在宅生活復帰支援センターハートフル済生会 介護支援専門員
平成20年 千葉県済生会習志野病院 医療ソーシャルワーカー
身寄りのない高齢者の増加に伴い、医療・介護の現場では、意思決定支援、身元引受人不在、退院調整の困難、死亡後対応など複合的な課題が顕在化している。医療ソーシャルワーカーとして実践を重ねる中で、筆者は「問題が生じてから支える」のではなく、「元気なうちから地域で備える」支援の重要性を実感してきた。本発表では、①終活啓発の取り組みと、②地域における多職種連携による「おひとり様支援」の実践を通して、身寄りのない高齢者等を地域で支える仕組みづくりについて報告する。終活啓発では、病院と大学が連携し、学生と共に終活支援アプリを開発・活用した。地域相談会において高齢者と若い世代が対話することで、終活を生活の延長として捉える意識変化が生まれ、本人の意思の可視化が促進された。また、習志野市内の医療機関・施設相談員を中心とした「習志野連携の会」では、ケアマネジャー、終身サポート事業者、司法職等が参画し、身寄りのない人が不利益を被らない支援の在り方を検討してきた。現在は支援者向けガイドライン作成にも取り組んでいる。これらの実践から、身寄りの有無にかかわらず、本人の尊厳と意思を地域で支えるためには、医療・福祉・地域住民・教育機関などが連携し、平時から多職種・多機関が顔の見える関係を築き、役割や考え方を共有しておくことが重要であることを報告し、今後の地域づくりに活かしたい。