講演情報

[OS13-1]精神障害のある家族の子育てを支える訪問看護における多職種協働の実践

小六 真千子 (株式会社 町コム)
1987年  札幌市立高等看護学院卒業
2020年  日本財団在宅看護センター 起業家育成事業研修受講
2021年 株式会社 町コム設立 訪問看護リハビリテーションセンターななかまど中央設立
2023年  北海道科学大学保健医療学研究科 看護学専攻修士課程卒業
2023年 相談支援センター ななかまど中央設立
【背景】我国では,少子化が進行する一方、妊娠期からの支援が特に必要な特定妊婦は増加している。特定妊婦の中には精神障害を持つ妊婦も含まれて、児童虐待につながるケースも報告されている。そのため、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制整備の推進が求められている。2024年以降子ども未来戦略に基づき、支援体制は拡充されているが、地域によっては実際の支援体制の構築には課題が残されている。今回、指定訪問看護事業所(以下,訪問看護)を立ち上げ、助産師と精神科の経験のある看護師(以下、看護師)・ソーシャルワーカー(以下、SW)が協働して精神障害のある家族の子育て支援を実践してきた経過を報告する。【倫理的配慮】施設長の許可を得て、利用者にはオプトアウト方式を用いた。【実践例】A訪問看護事業所は、開設4年6カ月の指定訪問看護事業所である。開設当初より子育て支援を目的に助産師を配置し、看護師と協働して、周産期医療センターや保健センターと連携しながら精神障害のある家族への訪問看護の実践してきた。さらに、生活課題や制度利用の調整を目的としてSWが関与し、多機関連携を担っている。開設以降、子育てに関わる訪問看護は154件実施され、そのうち精神科からの指示に基づく精神障害のある家族への支援の数は89件であった。乳児のいるケースでは、助産師が中心となって育児支援を行い、家族の精神症状や生活上の課題が生じた場合は看護師およびSWが協働で対応した。支援を4年継続しているケースも見られた。【考察】精神障害のある家族の子育支援には、家族全体の精神的安定と生活基盤の調整が不可欠である。看護師・助産師による医療的・育児的支援とSWによる制度調整や連携支援を組み合わせた協働体制は、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を可能にし、地域における子育て支援体制構築に有効であると考えられた。