講演情報
[P1-10]医療的ケア児の家庭における在宅医療の継続と家族の思いの変化
― 診断時の予後説明と現在の受け止め方の違い ―
藤原 大輔, 守上 佳樹 (医療法人双樹会よしき往診クリニック)
背景,医療的ケア児の診断時には,主に基幹病院において予測される予後や医療的制約が説明され,家族は強い不安の中で意思決定を迫られることが多い。その後,在宅医療が必要となり、地域の医療機関による継続的なフォローが開始される。在宅生活と医療支援を重ねる中で,家族の価値観や大切にしている事は変化していくと考えられる。小児領域におけるACPは,こうした変化の過程を踏まえて捉え直す必要がある。
目的、医療的ケア児家庭において,診断時に基幹病院で伝えられた予後説明と,在宅医療を継続する現在における家族の思いを比較し,その変化の特徴を明らかにする。
方法,週1回以上の訪問診療を1年以上継続する医療的ケア児家庭を対象に,診断当時の気持ちと現在の思いを振り返るアンケート調査を実施。質問は選択式と自由記述を併用し,「将来の捉え方」「生活の中で大切にしていること」「医療者との関係性」等を収集した。自由記述は記載内容を整理し,共通するテーマにまとめた。本研究は単施設での探索的調査であり,統計的一般化を目的としたものではない。SJ-EC-2025-10で承認。
結果,回収率92%。診断時には「命を守ること」や「先が見えない不安」が強調されていた。在宅医療を継続する中で,「今の生活を大切にしたい」「子どもの出来る体験を尊重したい」等の記述が増え,生命維持から生きることへと移行していた。医療者は,説明中心の関わりから,定期的に意見を共有できる存在へと変化していた。
考察、診断時の思いは回想に基づく評価であり一定のバイアスを含む可能性がある。しかし,家族が現在の生活を踏まえて診断時を振り返った回答には,在宅医療を経た価値観の変化が反映されていると考える。医療的ケア児におけるACPは,診断時の説
明では完結せず、在宅生活の中で更新され続ける対話の過程であり,継続的な在宅医療が重要な役割を果たしていることが示唆された。
目的、医療的ケア児家庭において,診断時に基幹病院で伝えられた予後説明と,在宅医療を継続する現在における家族の思いを比較し,その変化の特徴を明らかにする。
方法,週1回以上の訪問診療を1年以上継続する医療的ケア児家庭を対象に,診断当時の気持ちと現在の思いを振り返るアンケート調査を実施。質問は選択式と自由記述を併用し,「将来の捉え方」「生活の中で大切にしていること」「医療者との関係性」等を収集した。自由記述は記載内容を整理し,共通するテーマにまとめた。本研究は単施設での探索的調査であり,統計的一般化を目的としたものではない。SJ-EC-2025-10で承認。
結果,回収率92%。診断時には「命を守ること」や「先が見えない不安」が強調されていた。在宅医療を継続する中で,「今の生活を大切にしたい」「子どもの出来る体験を尊重したい」等の記述が増え,生命維持から生きることへと移行していた。医療者は,説明中心の関わりから,定期的に意見を共有できる存在へと変化していた。
考察、診断時の思いは回想に基づく評価であり一定のバイアスを含む可能性がある。しかし,家族が現在の生活を踏まえて診断時を振り返った回答には,在宅医療を経た価値観の変化が反映されていると考える。医療的ケア児におけるACPは,診断時の説
明では完結せず、在宅生活の中で更新され続ける対話の過程であり,継続的な在宅医療が重要な役割を果たしていることが示唆された。
