講演情報
[P1-11]在宅医療において主治医性と家族性が重なったACPの一困難事例
― 猫と母を自宅で看取った医師の経験 ―
國枝 良行 (医療法人サクラ会 あけぼの診療所)
【はじめに】 在宅医療の現場では、患者の生活と医療が密接に重なり、主治医と家族の役割が曖昧になる場面が少なくない。特に医師が家族である場合、意思決定の正当性や第三者性の担保が課題となる。本発表では、尊厳死協会の事前指示書を有する母を、同居する息子である医師が在宅で看取った経験を通じ、在宅医療におけるACPの実践とその限界を考察する。
【症例】 症例は70代女性。肺小細胞癌(進行癌)と診断され、PS3、間質性肺炎を合併していたため積極的治療は行わず、Best Supportive Careを選択した。本人は尊厳死協会会員であり、がん治療を望まず、自宅で猫と共に最期を迎えたいという明確な意思を有していた。主治医は同居する息子であったが、単独判断を避けるため、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、介護保険サービスを早期に導入し、多職種連携による意思決定体制を構築した。疼痛管理を中心とした緩和ケアを行い、本人の意思に沿った在宅看取りが実現した。
【考察】 本事例は、主治医性と家族性が不可避的に重なり合う在宅医療の構造的課題を示している。ACPは単なる事前指示の確認にとどまらず、第三者性を担保する仕組みとして多職種連携を意図的に組み込むことで、私的判断への矮小化を防ぎ得る。本事例は、在宅医療におけるACPの実践的意義と、その制度的支えの重要性を示唆するものである。
【症例】 症例は70代女性。肺小細胞癌(進行癌)と診断され、PS3、間質性肺炎を合併していたため積極的治療は行わず、Best Supportive Careを選択した。本人は尊厳死協会会員であり、がん治療を望まず、自宅で猫と共に最期を迎えたいという明確な意思を有していた。主治医は同居する息子であったが、単独判断を避けるため、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、介護保険サービスを早期に導入し、多職種連携による意思決定体制を構築した。疼痛管理を中心とした緩和ケアを行い、本人の意思に沿った在宅看取りが実現した。
【考察】 本事例は、主治医性と家族性が不可避的に重なり合う在宅医療の構造的課題を示している。ACPは単なる事前指示の確認にとどまらず、第三者性を担保する仕組みとして多職種連携を意図的に組み込むことで、私的判断への矮小化を防ぎ得る。本事例は、在宅医療におけるACPの実践的意義と、その制度的支えの重要性を示唆するものである。
