講演情報

[P1-13]支援の限界の決定は支援者ではなくリスクを負う本人にある
~グループスーパービジョンで得た気づきから実践を振り返る~

近藤 芳江1,2,3 (1.APLE株式会社, 2.居宅介護支援ハートサービス近藤, 3.金城学院大学)
はじめに
 専門職が質の高い支援を行うにはスーパービジョンが必要である。筆者は2023年職場の異なる社会福祉士6名のバイジーから構成されるグループスーパービジョン(以下GSV)を受けた。「精神疾患のあるAさんにとって、 本人の意思尊重と支援者の対応の限界」について展開した。支援者はリスクを考え限界を決めがちであるが、リスクは限界ではなく限界の決定は本人にあると気付いた。発表に対し本人へ文章にて同意、後見人に口頭にて代諾を得、2事例を報告する。
事例1
 Aさん90歳代女性、独居、重度認知症(長谷川式0点)、外出し度々警察官の保護下で自宅に帰宅した。複数回入退院を繰り返し、在宅生活は無理との医師の判断であったが、本人の「家に帰る」と意志が明確であっ為、後見人と支援者等で在宅生活の続行を決定した。しかし、最期の退院時、本人は自宅前で家に入れず、ケアマネジャーに「私のいくところを探して」との言葉から入所に至った。
事例2
 Bさん80歳代女性、独居、胸椎損傷、胸から下は動かない。車椅子の自宅生活を送っていた。突然の発熱により夜中ベッドから落下、本人より居宅支援事業所へ連絡が入り、近隣友人の協力の下救急搬送になる。一命はとりとめるが、言語障害、血圧の降下の状況は残存した。筆者は、この様な不安な状況では自宅生活を望まないのではないかと考えたが、本人より「自宅に帰る」との意志表示があり自宅生活を継続する。
考察
 筆者がGSVを受けた経験から、「リスクは限界を意味せず、また支援者が限界と決めることでもない、本人が決定すべき事柄である。」との洞察に至り、今回の実践を振り返ることができた。支援者の限界の受け止め方は多様であり個別性の高い専門性を要求される。その為、専門職はSVからの考察を得て、実践の中で、本人の思いや多様性を言語化し、得た気づきを実践で生かしていくことが重要であると考える。