講演情報

[SY02-1]大規模災害発災時の在宅医療機器を使用している患者への支援の課題

中村 知夫1,2 (1.あのねコドモくりにっく, 2.国立成育医療研究センタ- 総合診療部)
1985年 私立兵庫医科大学医学部卒、同小児科入局
1987年 大阪府立母子総合医療センター(現大阪母子医療センター)レジデント
1992年 国立小児病院麻酔集中治療科レジデント・研究センター病態生理部門研究員
2013年 総合診療部在宅診療科医長、医療連携・患者支援センタ-在宅医療支援室室長
2025年 医療法人社団のびた あのねコドモくりにっく
日本では、自然災害は、地震と津波、台風や線状降水帯による暴風雨、河川の氾濫、更に豪雪や竜巻、山火事など様々あり、日常のことになっている。演者は、前勤務先である国立研究開発法人国立成育医療研究センターで、日々の生活の中で医療的ケアを必要とするこどもと家族の診察と支援を行なう中で、「医療機器が必要な子どものための災害対策マニュアル~電源確保を中心に~」を作成した。マニュアルでは、自助、互助を主に述べ、停電の備えのための事前準備のポイント、電源確保の基礎知識として電気の単位、直流と交流、インバ-タの役割、正弦波、起動電力について言及した。外部電源の確保に関しては、発電機の管理の難しさと、正しく使用しないと一酸化中毒のリスクがあることをお伝えした。医療機器メーカーからは、従来、自動車からの医療機器への電源供給は推奨されていなかったが、国土交通省安全・環境基準課、経済産業省自動車課と、一般社団法人日本自動車工業会が中心になって進めておられた「電動車から医療機器への給電に係るコンソーシアム」の報告を基に、日本自動車工業会に「電動車を利用した電源の確保」について、寄稿いただいた。さらに、災害時の酸素供給についても、日本産業・医療ガス協会から「災害時の酸素確保」についての寄稿いただいた。 災害時は急性期だけでなく、生活も視野に入れた備えが必要であり、電源確保に関しても医療機器だけでなく生活を支えている電化製品を対象とすることにも配慮が必要である。さらに、災害によって異なる避難のタイミングの違い、避難経路や自宅避難も含めた避難の在り方、飲料水以外の生活水の確保、トイレや入浴などの衛生管理と感染防止も考える必要を痛感している。 福祉避難所の在り方も含め、医療機関・医療機器メーカー・自治体・地域・臨床工学技士がそれぞれの特性を生かしながら、当事者の立場に立った支援体制を整備してゆく必要がある。