講演情報

[SY02-2]北海道胆振東部地震での大規模停電の経験と災害時対応体制の構築

菅原 望希 (日本赤十字社 旭川赤十字病院 医療技術部 臨床工学課)
2020年 吉田学園医療歯科専門学校 卒業
同年 日本赤十字社旭川赤十字病院 入職
近年、全国各地で災害が発生し、南海トラフ地震や首都直下型地震、千島海溝沖地震など未曽有の災害発生が懸念されるなか、在宅医療における災害対応の重要性が認識されている。在宅酸素療法(HOT)および在宅人工呼吸療法(HMV)は、災害発生時には電力や医療資源の供給停止が患者の生命に直結する。2018年に発生した北海道胆振東部地震では北海道全域における広範囲な停電を経験し、当院ではHOT・HMV患者への対応について多くの課題を感じた。
 発災時、HMV患者については管理患者数も6名と少なく、訪問看護ステーションとの連携により状況把握することで早期に入院対応へ移行した。一方でHOT患者は患者数が多く、管理が取引業者主体であったことから、安否確認や状況把握に時間を要した。また、来院基準が不明確であったため、対応に混乱する患者も発生した。停電の長期化に伴い、酸素ボンベの供給が間に合わない患者は緊急入院にて対応した。最終的には取引業者と連携し当院から直接連絡を行うことで当日中に全患者の安否と酸素ボンベの供給体制を確認することができた。本経験を通じて、災害時は、医療機関が主体的に安否確認を行う体制づくりや、取引業者との連携、患者への事前説明、来院基準や受け入れ体制の整理が重要であると考える。