講演情報

[SY02-4]災害・停電時を見据えた(医療・行政・メーカーを含む)地域連携による在宅人工呼吸器の現行給電対策を補完する新たな試み:在宅支援診療所CEの立場から

浜本 英昌 (医療法人鳥伝白川会 ドクターゴン鎌倉診療所)
1989年9月 臨床工学技士取得(2022年 業務範囲拡大に伴う告示研修 修了)
職 歴
1989年04月 東京女子医科大学付属病院 救命救急センター
1994年04月 JA北海道厚生連 札幌厚生病院
2001年07月 徳洲会病院グループ
2011年04月 医療法人鳥伝白川会 ドクターゴン鎌倉診療所
2026年01月 現在に至る
【はじめに】自然災害の頻発・激甚化により、在宅人工呼吸器使用者の停電時給電確保は生命維持と在宅療養継続の要である。停電時には内蔵/外部バッテリ、AC給電を前提としたポータブル電源、発電機、電動車等が用いられるが、72時間規模の長時間停電を想定すると運用・効率面の課題が残る。さらに、機種差、周辺機器、居住環境、支援体制の多様性から医療機関単独での解決は困難である。そこで本学会誌(2025;6巻2号)掲載「在宅人工呼吸器への新たな給電方法の検討(第1報)」を基盤に、CEの立場から、地域連携で実行可能な補完策を検討した。
【活動】当院の在宅人工呼吸器使用者12名のうち終日使用者4名に、ポータブル電源からのDC給電と純正予備バッテリを先行導入した。吸引器・酸素濃縮器・加温加湿器等も含め、停電時対応の課題を整理した。並行して2026年1月より、DC入力活用等の給電オプションを資料・デモ機材で行政・在宅医療職・支援拠点・研究機関・メーカーへ提示し、安全性・責任分界・標準化・平時運用(教育/点検/貸与)等を協議し、横展開可能な最小要素と検証計画を整理中である。
【考察】災害時給電は機器特性に加え、地域の運用設計(物流・保守・教育・責任分界)が成否を左右する。CEが現場起点で課題を示し、手順・ツールを標準化して「選べる給電」を提示することは停電時の「迷い」を減らし継続性を高める。現行のAC運用を否定せず、弱点を補完する追加選択肢として整理することは合意形成に有効であった。今後は誤接続/過電流等の安全管理、メーカー想定条件/教育・維持管理/地域資源(人員・物資・拠点・制度・情報)との整合性、役割分担の明確化をメーカー参画のもとで整備し、実装を目指す。