講演情報

[SY03-1]医療ビッグデータを用いた在宅医療の研究~ビッグデータで実現できること~

桵澤 邦男 (国立大学法人東北大学 東北大学病院 メディカルITセンター)
【演者略歴】
学位・専門:
医学博士(東北大学、2011年3月)
データベースを用いた医療介護ビッグデータ解析

略歴:
1997年 国家公務員共済組合連合会 東北公済病院 最終職位:診療情報センター室長
2012年 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 診療情報アナリスト養成分野 講師
2016年 東北大学大学院 医学系研究科・医学部 公共健康医学講座 医療管理学分野 助教
2020年 東北大学大学院 医学系研究科・医学部 公共健康医学講座 医療管理学分野 講師
2024年 東北大学大学院 医学系研究科・医学部 公共健康医学講座 医療管理学分野 准教授
2025年 東北大学病院 メディカルITセンター 准教授

主な研究班:令和7年度
厚生労働省科研費事業「DPCデータを用いた入院医療の評価・検証及びDPCデータベースの利活用に資する研究」分担研究者(研究代表者:伏見清秀教授、東京科学大学)
厚生労働省科研費事業「患者調査の傷病符号付けプロセスの最適化と効率化に資する研究」分担研究者(研究代表者:荒井康夫准教授、北里大学) ほか

利益相反:
なし
我が国は超高齢社会および多死社会の側面を持つ。そのため「住み慣れた自宅で最期まで過ごしたい」と考える高齢患者の希望を叶えることが肝要である。そこで在宅医療の有効性を示すための研究の積極的な展開はますます重要となる。  
 筆者が在宅医療の研究に用いる主な医療ビッグデータとして、National Database(レセプト情報・特定健診等情報データベース:NDB)とDiagnosis Procedure Combination(DPC)データがあげられる。NDBは、厚生労働省が有する国内最大級の医療ビッグデータである。全国の匿名化レセプトデータ等が収納されており、医療の実態、医療費の適正化等に関する研究成果の導出が可能である。DPCデータは急性期入院医療を展開するDPC対象病院等が作成する診療情報であり、傷病名(テキスト、ICD10)、入退院情報、薬剤、手術や処置、医療費などが記録され、入院医療の実態の把握が可能である。
 筆者は令和7年度の優秀論文賞(タイトル:性別・年代別の違いに着目したがん患者の都道府県別在宅看取りと医療資源・医療活動との関連:National Databaseを用いた全国調査)および最優秀演題賞【佐藤智賞】(第7回日本在宅医療連合学会大会、長崎市、タイトル:入院前の在宅医療有無別にみた誤嚥性肺炎の入院症例における入院状況と退院時アウトカム~DPC全国データを用いた解析~)を受賞した。前者はNDB集計情報を、後者はDPC全国データ(年間約1,100病院、700万症例)を活用した。両データとも医療の悉皆性や代表性を有するデータであるため、我が国の在宅医療の実態を明らかにすることができる。
 本シンポジウムでは医療ビッグデータを用いた在宅医療の研究について、ビッグデータで実現できることを中心に紹介し、ご参加の皆さまと一緒に在宅医療の研究を力強く進めてゆくための方策を考えたい。