講演情報

[SY04-3]在宅ドクターカーの新たな役割 ―急変対応と医療コミュニケーションの専門家―

井上 淑恵1,2,3,4, 佐々木 淳4 (1.医療法人社団悠翔会 悠翔会在宅クリニック品川, 2.藤沢市民病院救命救急センター, 3.日本医科大学総合診療科, 4.医療法人社団悠翔会)
2006年 香川大学卒業、藤沢市民病院初期臨床研修医、
2008年 藤沢市民病院救命救急センター後期臨床研修医
2011年 日本医科大学付属病院 集中治療室
2013年~医療法人社団悠翔会在宅クリニック(常勤)  藤沢市民病院救命救急センター(非常勤)
2020年~日本医科大学総合診療科非常勤講師
超高齢社会の本邦において、多くの高齢者はAmbulatory Care-Sensitive Conditions (ACSCs)の状態であるため常に急変のリスクがあり、在宅医療と病院(救急)医療の連携は必要である。本邦ではここ数年で在宅療養支援診療所(在支診)は増加し各地で在宅医療を受ける高齢者も増加した。またCOVID-19を経験し、在宅で病院と同等レベルの急性期医療提供するHospital at Home(HaH;在宅入院)を行う在支診は増加している。一方で高齢者の救急搬送は軽症・中等症が多く、病院(救急)医療への負担は否めない。また、医師の働き方改革の進行により、医療人材は相対的に不足しつつある。このような状況下で、在宅患者の急変時対応を担う在宅ドクターカー(ホスピスカー)の役割が注目されており、各地で運用が進んでいるが、地域ごと、医療機関ごとに運用方法は異なり、十分に稼働しているとは言い難い状態である。主な要因として財政的負担、医療従事者の人員不足、運用体制構築の地域格差があげられている。一方で先行研究から在宅患者の救急搬送軽減のために必要なことは、地域・多職種連携、Advance Care Planning(ACP)推進、医療者におけるコミュニケーション能力向上などが判明している。そこで本発表では、在宅ドクターカー運用において求められる機能を整理し、救急医療負担の軽減と在宅医療の質向上に寄与する可能性や将来展望に関して私見も交え発表する。