講演情報

[SY05-3]オピオイド持続投与を用いた疼痛緩和で化学療法を支える提案

石川 彩夏1,2 (1.医療法人社団淳友会 わたクリニック, 2.国立がん研究センター中央病院 緩和医療科)
2015年 東京女子医科大学医学部医学科卒業
2015年 横須賀市立うわまち病院(現 横須賀市立総合医療センター) 初期臨床研修医
2017年 横須賀市立うわまち病院(現 横須賀市立総合医療センター) 総合内科
2022年 国立がん研究センター中央病院 緩和医療科 レジデント
2025年 医療法人社団淳友会 わたクリニック
がん疼痛はすべてのがんステージの50.7%、進行性、転移性がん患者では66.4%に存在する。抗がん治療中の患者にとって、適切ながん疼痛緩和を行うことで生活の質を高め、化学療法中の体力維持に繋げることは必要なサポートである。中等度以上のがん疼痛緩和においてはオピオイドが治療の鍵となる。WHOガイドラインにおいてオピオイドは経口投与が原則とされているが、経口または経皮投与が困難な場合、持続注射による皮下および経静脈投与が各国ガイドラインで推奨されている。抗がん治療中の場合にはPerformance Statusが保たれており、内服が可能である場合が多いが、吸収困難や通過障害など、経口投与が難しいケースもある。貼付剤と口腔粘膜から吸収される即効性オピオイドでの管理は選択肢であるが、貼付剤は早急な用量調節が必要な症例には不向きであり、即効性オピオイドは使用回数や投与間隔に制限があるため、レスキュー薬投与が頻回に必要な症例では用いにくいことがある。在宅の現場では自己調節鎮痛法(patient controlled analgesia, 以下PCA)を用い、患者自らがレスキューをボタンで投与しながら疼痛緩和を図ることができる。PCAポンプには機械式、シリンジポンプ、ディスポーザブルの種類があり、容量も様々にあり、ポンプ内に薬液を充填させて、持続投与を行う。PCAポンプの流量を調整することで鎮痛に必要な投与量を調節し、レスキューボタンを押すことで簡便に疼痛管理を行える。PCAポンプは経口投与ができない終末期に使われる印象が強いが、PCAの適応は終末期に限ったものではない。抗がん治療中の患者においてPCAを用いた事例を紹介しながら、PCAに関する当院の取り組みや病院との連携の実際についてもお伝えする。本講演が抗がん治療中の患者にPCAを用いたがん疼痛管理を始めるきっかけとなれば幸いである。