講演情報

[SY06-6]人は“情報”では動かない
―フォロワーではなく仲間を増やすSNS戦略―

廣橋 猛1,2 (1.永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター, 2.医療法人社団 博腎会 野中医院)
2005年 東海大学医学部卒
2009年 亀田総合病院 疼痛・緩和ケア科 在宅医療部
2011年 三井記念病院 緩和ケア科 緩和ケアチーム専従
2014年 永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター長(現職)
2014年 野中医院 在宅医療部(兼務)
医療においてSNSなどで「ヒトを集める」とは、単に情報を届けることではない。理念や未来像に共感し、ともに歩む仲間を増やす営みである。本講演では、日本緩和医療学会広報委員長として複数の公式SNS(X、Instagram、Facebook、YouTubeなど)を運営してきた組織広報の実践と、フォロワー2万人を超える個人Xアカウントでの発信経験の双方から、SNS活用の本質を整理する。
組織広報では、信頼性・継続性・社会的責任が求められる。一方、個人発信では、物語性・一貫した世界観・等身大の言葉が共感を生む。性質は異なるが、「誰に何を届け、どの行動につなげたいのか」という設計思想は共通している。
在宅医療は地域との接点が多く、本来SNSとの親和性が高い分野である。しかし目的なき発信は一方向で一過性の拡散に終わる。本講演では、①ターゲット設計、②メッセージの軸づくり、③媒体特性の理解、④リスクマネジメント、⑤組織と個人の役割分担という五つの視点から、具体的な運用の実際を紹介する。
フォロワー数を競う時代は終わった。これから求められるのは「信頼と共感の総量」をいかに高めるかである。信頼の上に共感が積み重なったとき、はじめて“人が集まる”。その戦略と実践を共有したい。