講演情報
[SY09-1]在宅医療の効率化〜新規患者受け入れにおける当院の取り組み〜
宮﨑 宏美, 露木 義章 (おかにし内科 糖尿病・甲状腺クリニック)
2003年に新潟ビジネス専門学校医療情報秘書学科を卒業後、調剤薬局勤務などを経て2024年4月おかにし内科糖尿病・甲状腺クリニック入社。訪問診療部に配属され現在に至る。
近年、医療現場では業務効率化を目的としてAIを活用したカルテ記載や文書作成、レセプトチェック等のシステム導入が進んでいる。一方で、高額な導入費用や運用負担から、小規模診療所では活用が難しい場合も少なくない。訪問診療の業務の中で、効率化により医療者・患者双方に大きな影響を与えるものの一つが新規患者の受け入れである。病院から訪問診療の依頼がなされても、受け入れ調整に時間を要し、自宅に戻ることなく病院で最期を迎えるケースは依然として存在する。当院では訪問診療開始当初より、特別なITツールに依存せず、紹介から初回訪問までを可能な限り迅速に行う体制づくりとともに、紹介元との顔が見える関係性づくりを重視してきた。医師1名体制で外来診療と訪問診療を並行する中、家族からの直接依頼は原則受け付けず、かかりつけ医、MSW、ケアマネジャー、訪問看護ステーションからの紹介に限定した。紹介時には当院独自の簡潔な患者紹介シートと診療情報提供書の提出を依頼し、FAXを用いた情報共有を標準化した。その結果、2022年10月の訪問診療開始以降1年間で新規患者111名、看取り45名を経験し、2025年には新規患者210名、年間看取り数は120名を超えるまでに至った。日頃からの挨拶回りや勉強会を通じて築いた顔の見える病診・診診連携を基盤としたアナログな情報共有と迅速な対応の積み重ねが、新規患者受け入れの円滑化と在宅移行の促進に寄与したと考えられる。
