講演情報
[SY09-5]看取りの質を上げ、時間外労働も増やさない
― 在宅がん医療における「本来の効率化」への挑戦 ―
岡本 翔 (医療法人 ゆうの森 たんぽぽクリニック)
2019年 愛媛大学医学部医学科卒業
愛媛県立中央病院(初期研修医)
2021年 愛媛県立中央病院 退職
愛媛大学医学部付属病院 泌尿器科
2022年 愛媛大学医学部附属病院 退職
医療法人 ゆうの森 たんぽぽクリニック 入職 現在に至る
愛媛県立中央病院(初期研修医)
2021年 愛媛県立中央病院 退職
愛媛大学医学部付属病院 泌尿器科
2022年 愛媛大学医学部附属病院 退職
医療法人 ゆうの森 たんぽぽクリニック 入職 現在に至る
在宅医療における効率化という言葉には、診療が雑になり、数や収益を優先する医療につながるのではないかという懸念が根強い。一方で、非効率な体制のもと、時間外労働を前提とした働き方を続けたいとも思えないというのが、多くの医療者の本音ではないだろうか。当院では経営効率化を一つの目標として、在宅がん医療総合診療料の算定に取り組んでいる。収益確保・持続性は前提であるが、目的は売上最大化ではない。スタッフのやりがいを高めつつ、時間的拘束を増やさず、看取りの質を向上させる体制づくりを重視してきた。取り組み当初は、「算定が押し売りにならないか」「患者の自己負担が増えるのではないか」といった懸念もあったが、多職種で関わりを共有し、チームとして算定を行うことで、結果的に患者負担が減少するケースも多かった。無理な押し売りを避けるため、個人のインセンティブは設けず、内発的動機に基づく運用としている。多職種が患者宅を訪問し、リハビリや看護を含めて継続的に関わることで、患者や家族から感謝の言葉に触れる機会は増え、医療者としてのやりがいも高まっている。緩和ケア病棟では、外来での薬剤調整を経てADL低下時に入院となることが多いが、その間の生活やリハビリが十分に支えられているとは言い難い。在宅医療は、比較的状態が保たれている時期から慣れた環境で生活し、家族と時間を過ごしながら支援できる点に大きな意義がある。本発表では、看取りの質を高めながら時間外労働を増やさないという本来の意味での効率化を目指し、在宅がん医療総合診療料算定に取り組むための具体的な方法と、その結果について報告する。
