講演情報
[SY10-1]どこまで誤嚥性肺炎を許容するか?~経口摂取禁止のラインの見極め
野原 幹司 (大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学講座)
1997年 大阪大学歯学部歯学科卒
2001年 大阪大学大学院歯学研究科修了 博士号取得(歯学)
2001年 大阪大学歯学部附属病院 顎口腔機能治療部 医員
2002年 大阪大学歯学部附属病院 顎口腔機能治療部 助手(2007年より助教)兼医長
2015年 大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学講座 准教授 現在に至る
2001年 大阪大学大学院歯学研究科修了 博士号取得(歯学)
2001年 大阪大学歯学部附属病院 顎口腔機能治療部 医員
2002年 大阪大学歯学部附属病院 顎口腔機能治療部 助手(2007年より助教)兼医長
2015年 大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学講座 准教授 現在に至る
在宅医療で経口摂取の可否を考えるとき,判断材料の一つとなるのが誤嚥性肺炎であろう.誤嚥性肺炎を予防できればそれに越したことはないが,慢性期や進行性疾患においてはできないことの方が多く,どこまで誤嚥性肺炎を許容できるか,が経口摂取を考える上でのポイントとなる。極論をいえば,まったく許容できないのであれば禁食になってしまうが,その判断は生活の場である在宅では馴染まない.
許容を考える前に注意すべきは,そもそも誤嚥性肺炎の診断が間違っている可能性である.日本で広く用いられている臨床的診断基準は,「疑わしき肺炎はすべて誤嚥性肺炎」というものであり,そのことを反映してか,日本の高齢者肺炎における誤嚥性肺炎の割合は6~7割と,諸外国の5~18%からすると異常に高い値となっている.このことは,誤嚥性肺炎後の経口摂取の可否は,診断を疑ったうえで判断する必要性を示唆している.
誤嚥性肺炎の許容の判断材料の一つは介入方法の有無である.食形態の調整や嚥下リハ等の効果が期待できるケースでは,介入によって肺炎に罹患することなく経口摂取を継続できることも多いため,介入方法が存在するときは(ある程度)許容できる.もう一つは耐性菌の可能性である.介入手段の手が尽きたケースであっても,抗菌薬の使用頻度が年に1,2回程度であれば,耐性菌の存在の可能性は低いと考え,本人(家族)や主治医とコンセンサスが得られれば,年に1回程度であれば許容することがある.
誤嚥性肺炎の許容に関しては,さまざまな意見があり一義的に決定できるものではないであろう.ただし,「1回の誤嚥性肺炎で禁食というのは「やりすぎ」」というコンセンサスがあるのであれば,どの程度まで許容できるのであろうか?今回のシンポジウムにおいては,われわれの臨床を提示することで,それをたたき台として多職種の先生方と意見交換できればと思う.
許容を考える前に注意すべきは,そもそも誤嚥性肺炎の診断が間違っている可能性である.日本で広く用いられている臨床的診断基準は,「疑わしき肺炎はすべて誤嚥性肺炎」というものであり,そのことを反映してか,日本の高齢者肺炎における誤嚥性肺炎の割合は6~7割と,諸外国の5~18%からすると異常に高い値となっている.このことは,誤嚥性肺炎後の経口摂取の可否は,診断を疑ったうえで判断する必要性を示唆している.
誤嚥性肺炎の許容の判断材料の一つは介入方法の有無である.食形態の調整や嚥下リハ等の効果が期待できるケースでは,介入によって肺炎に罹患することなく経口摂取を継続できることも多いため,介入方法が存在するときは(ある程度)許容できる.もう一つは耐性菌の可能性である.介入手段の手が尽きたケースであっても,抗菌薬の使用頻度が年に1,2回程度であれば,耐性菌の存在の可能性は低いと考え,本人(家族)や主治医とコンセンサスが得られれば,年に1回程度であれば許容することがある.
誤嚥性肺炎の許容に関しては,さまざまな意見があり一義的に決定できるものではないであろう.ただし,「1回の誤嚥性肺炎で禁食というのは「やりすぎ」」というコンセンサスがあるのであれば,どの程度まで許容できるのであろうか?今回のシンポジウムにおいては,われわれの臨床を提示することで,それをたたき台として多職種の先生方と意見交換できればと思う.
