講演情報

[SY12-2]仮想化総合病院構想と2050年に向けた医療供給OSの再設計―人口減少最前線・横手からの挑戦

細谷 拓真 (医療法人賢友会 細谷内科医院)
2002年3月東北大学医学部卒業
2006年10月東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科
2011年4月細谷内科医院副院長
2024年8月秋田県在宅医療推進センター副センター長
2025年4月地域医療連携推進法人在宅オンライン医療センター代表理事
秋田県横手市では急速な人口減少・高齢化により、診療所医師数が2022年の63人から2040年には25人へと約60%減少すると予測される。この撤退戦ではなく再設計が求められる局面において、我々はICT・AIと「顔の見える関係性」を基盤に、診療所・訪問看護・介護・薬局・総合病院等をネットワーク化し一つの総合病院のように機能させる仮想化総合病院(Invisible General Hospital)構想を推進している。地域全体をホメオスタシスを持つ一つの生命体と捉え、データによる結合を通じて自律的に調和・機能する「AI駆動型ホメオスタシス環境」の構築を目指す。生成AIによるカルテサマリ作成等は既に実践しており、将来的にはスタッフ数の圧縮と対応患者数の増加を見込む。2025年4月設立の地域医療連携推進法人「在宅オンライン医療センター」では、クラウド型検査画像保管システムによる情報共有基盤の構築、ポータブルレントゲン等の共同購入、人材の共同雇用を推進する。さらに衛星通信機器や医療検査機器を搭載した訪問検査用スマートモビリティ「SUMAMO」により、平時の在宅医療支援と災害時BCPの両立を図る。在宅医療ではHospital at Homeの実践により、肺炎等の急性期疾患を在宅で治療完結させ、ADL低下の抑制と急性期病院の負担軽減を目指す。2050年に向けては、地域外専門医との「D to P with D」推進、メディカルソーシャルコーディネーターの養成、地域医療基金による財政的自立を柱に、横手モデルを医療供給のOSとして確立し、危機を進化の機会に変える。