講演情報
[SY13-2]在宅介入を起点に回復期リハビリテーション病棟入院・外来を経て特別養護老人ホーム入所に至った独居心不全高齢者の一例
梶 琢朗 (藤田医科大学総合診療プログラム)
北海道大学医学部卒業
2021年 帯広協会病院にて初期研修
2023年 藤田医科大学総合診療専門研修プログラム所属
2024年10月〜2025年9月 同善病院(回復期・在宅医療研修)
2025年10月〜現在 南生協病院(総合診療研修)
2021年 帯広協会病院にて初期研修
2023年 藤田医科大学総合診療専門研修プログラム所属
2024年10月〜2025年9月 同善病院(回復期・在宅医療研修)
2025年10月〜現在 南生協病院(総合診療研修)
【背景】 在宅医療は終末期医療の場として理解されがちであるが、非がん高齢者が増加する現在、必ずしも在宅看取りに至るとは限らない。病状や生活機能、社会的背景に応じて外来・入院・施設など療養の場を柔軟に移行しながら生活を支えることも在宅医療の重要な役割である。今回、在宅介入を起点に回復期・外来を経て特別養護老人ホーム入所に至った症例を経験したため報告する。 【症例】 87歳男性。慢性心不全(HFrEF)および慢性腎不全Stage G4A3。独居で近隣に身寄りはなく生活は不安定であり、自宅で熱中症になり入院したことを契機に訪問診療を導入した。内服調整を行い心不全増悪予防に努めたが、介入半年後に心不全増悪をきたし急性期病院へ入院となった。その後当院回復期リハビリテーション病棟へ転院となり、私は改めて主治医として介入した。入院中に長年の付き合いであるケアマネジャーや遠方の親族と共にACPを深め、今後の生活について検討した結果、施設入所の方針となった。特別養護老人ホームへの入所を希望したが待機期間が長く、入所までの間はショートステイを利用しながら当院外来へ通院する体制を構築した。当院転院から約1年の経過を経て特別養護老人ホームへ入所となり、生活の場を移行した。 【考察】 本症例では独居や社会的孤立といった背景が療養環境に大きく影響していた。在宅医療導入の段階から患者の生活の場を直接把握できたことで、患者がどのような暮らしを望んでいるのか、どこまで自宅生活を続けることが現実的であるのかを具体的に共有することができ、その後のACPを深めることにつながったと考える。在宅療養の経験を踏まえて将来の療養の場を検討できたことが、方針決定を円滑にした一因であったと考えられた。
