講演情報
[SY14-2]訪問看護における簡易エコー活用の実際― 当院での心不全アセスメントの取り組み ―
松本 ふきこ (医療法人はなまる はなまるクリニック)
1998年日本赤十字看護大学看護学部卒業後、日本医科大学多摩永山病院救命救急センターに勤務。2001年退職後、米国Hunter College IELIに語学留学。2003年ニューヨーク州看護師免許取得、Metropolitan Hospital MICUに勤務。2005年メイン州へ移住し、Waldo County Family Practice(非常勤)およびPenobscot Bay Medical Center SCUにて2010年まで勤務。2010年帰国後、日本医科大学武蔵小杉病院救命救急センターに勤務。2012年より日本赤十字看護大学老年看護学助手。2015年現はなまるクリニックで非常勤勤務しながら同大学大学院成人看護学(クリティカルケア看護)入学し、2017年修了。現在、医療法人はなまる はなまるクリニック勤務。
近年、看護師による簡易エコーを用いたアセスメントが注目されている。当院では2020年1月より、心不全患者に対し診療看護師(NP)が簡易エコーを用いて下大静脈(IVC)径や胸水、腹水、膀胱内残尿評価を行う取り組みを開始した。その後、実施マニュアルの整備および教育体制の構築により、他の看護師へと実践が拡大し、2025年1月現在で全ての看護スタッフが心不全患者に対して簡易エコーを用いたアセスメントを実施している。 訪問看護における簡易エコーの運用は、NPを中心にマニュアルに基づいた説明と同行指導を行い、同行困難な場合はビデオ通話による遠隔確認や、撮影した画像・動画をカンファレンスで共有し指導を受ける体制を構築している。 簡易エコー導入のベネフィットとして、心不全増悪時に速やかな医師への情報共有が可能となり、訪問診療がすぐに行えない場合でも治療方針決定に寄与する点が挙げられる。また、定期訪問時にIVCや胸水評価をルーティン化することで、心不全増悪の早期発見につながる可能性がある。さらに、膀胱エコーによる残尿評価やカテーテル位置確認、表在エコーによる静脈路確保など、在宅看護における幅広い活用が可能である。 一方で、手技習得まで測定に時間を要し、看護ケアに充てる時間が減少するジレンマが課題として挙げられた。今後は簡易エコーを訪問看護の現場での判断ツールとしてさらに活用していけるよう、教育体制のさらなる充実と、活用の標準化が求められる。
