講演情報

[SY17-3]在宅療養における安心とリスクのマネジメント:コーディネーター看護師/特定行為看護師の役割

七澤 ゆきの (おく内科・在宅クリニック)
略歴 2011年 追手門学院大学 経済学部卒業
2011年 関西看護専門学校 入学
2014年 看護師免許取得
2024年 おく内科・在宅クリニック 入職
2025年 旭区医師会 在宅医療・介護連携拠点事業 コーディネーター
2025年 秋田大学医学部附属病院 特定行為研修 修了
在宅療養の価値は、本人の生活の場で、望む暮らしを続けられることにある。一方で在宅医療では、医療者が常駐せず、患者・家族がケアの一部を担い、医療・介護・福祉が分散して関与するため、情報の断裂や役割の曖昧さ、急変時の初動遅れ、薬剤管理のばらつきなどが、安心を損ない得るリスクとして生じやすい。安全をゼロリスク化として追求し過ぎれば、生活が病院化し、QOLや自律を低下させる危険もある。したがって在宅では、重大な危害を最小化しつつ、本人が望む生活(安心)を維持するために、許容できるリスクを共有し、チームで支える仕組みが求められる。

本発表では、在宅クリニックに所属するコーディネーター看護師/特定行為看護師の立場から、安心とリスクのマネジメントを「生活の連続性の中で破局を防ぎ、暮らしを守る仕組みづくり」と捉え、現場で設計し、運用に落とし、うまくいかなければ作り直すための実装知を提示する。具体的には、コーディネーター看護師として情報と役割を束ね、日々の変化や違和感が埋もれない情報共有を定着させること、誰もが相談・指摘できる心理的安全性を土台にチームの学習を回すことを示す。さらに特定行為看護師として、急変時の初動(観察の焦点化、必要時の介入、医師へのエスカレーション)を標準化し、本人・家族が過度に不安を抱えずに療養を続けられる支援のあり方を論じる。

以上を踏まえ、病院で蓄積されてきた患者安全の考え方(報告・分析・再発防止)を在宅の文脈に翻訳し、安心の維持(QOL・自律)とリスクの最小化を両立するために必要な活動と研究課題について、本シンポジウムで議論したい。