講演情報

[SY18-2]呼吸器クリニックの”自宅入院(hospital at home:HaH)”の現状

武知 由佳子, 遠藤 直子 (医療法人社団愛友会いきいきクリニック)
1993年3月新潟大学医学部卒 1993年4月昭和大学麻酔科緩和ケアチーム 1994年4月大田病院初期研修 1996年9月ー2005年6月大田病院呼吸器科勤務 2005年6月ー12月国立病院機構八雲病院小児科勤務 2007年5月ー8月川崎協同病院呼吸器科勤務 2007年9月 いきいきクリニック 受賞2020年神奈川県学術功労賞受賞
教育活動 福井大学非常勤講師, 慢性呼吸器疾患看護認定看護師講義(2017年~現在) 愛知医科大学非常勤講師 診療看護師コース(2020年~現在)
欧州を中心に, HaHが行われている. 急性増悪時も入院せず, または, 早期に退院し, 居宅で入院と同じ, 質が担保された専門的なケアが受けられる. 仏のHaH(HAD)の対象は, 人工呼吸療法, 抗菌薬投与, 治療経過観察, 疼痛緩和, 終末期の看取り, リハビリテーション, 経管栄養などで, 「在宅高度医療事業」とも訳される. 月30時間限度の集中的なケアが行われ, 患者・家族の同意のもと, 病棟医からは退院時に, または開業医からは急性期医療やリハビリテーションの必要時に紹介され, コーディネート医が指示書を書き, 管理看護師が調整する. 医師(週1回), 看護師(毎日1回以上), 看護助手(毎日), 理学療法士(週3~4回)等が訪問する. ①一時的なケア②継続的ケア(終末期や医療依存度が高い人工呼吸ケアなど)③在宅リハビリテーションに分類され, それぞれの期間で(患者の状態に合わせて更新可能)行われる. 目的は, 平均在院日数を短縮しつつ, 質の高い在宅ケアを提供することである. 病院は, HaHチームをおくことが義務で, またHaHを行う独立した機関もある.
当院のほぼ7割の患者は医療依存度が高く, 仏のHaHに分類される. また, 入院日数短縮の影響か?それとも, 病棟医の見立ての問題か?間質性肺炎では, まだステロイドパルス療法後, プレドニゾロン50mg内服開始直後に, 酸素10L吸入しつつ, 終末期だからと退院してくる. COPDでは, 急性増悪の治療が終われば, 苦しくて動けなくとも退院する. では, このまま看取るのか, 否, 呼吸器科医として, 前者は感染や急性増悪に注意しつつ, ステロイド漸減させ, 後者はV字回復できるように呼吸リハビリテーションを行っていく. 仏のHaHと同様なチーム医療を否応なくさせられる現状がある. しかし, 往診, 訪問看護, 薬剤費, 検査がすべて個別算定, 出来高制の積み上げ診療報酬で, 能力・労力に見合うものではない.