講演情報

[SY18-3]Hospital at home ー在宅で急性増悪・急性期を診るー
訪問理学療法士の立場から

中田 隆文 (マリオス小林内科クリニック)
1987年 盛岡友愛病院リハビリテーション科勤務
1999年 同 在宅医療部
2004年 須藤内科クリニックリハビリテーション科科長
2013年 岩手県教育委員会 もりおかこども病院(非常勤)
2017年 マリオス小林内科クリニックリハビリテーション科科長
在宅肺炎におけるHospital at Homeは、本人の意思と家族等の同意(ACP)に基づき、入院相当の急性期ケアを住み慣れた自宅で提供するモデルと言える。このモデルの利点は入院という急激な環境変化が引き起こすリロケーションショック(ダメージ)を回避できる点にあり、特に高齢者において、せん妄や認知機能の低下、ADLの急激な低下や廃用を防ぐ選択肢となる。リハビリテーションの目的は肺炎治療の促進、廃用・再発予防、早期の生活復帰である。まず気道クリアランスを最優先し、排痰法、痰吸引、さらに頻回の体位交換で無気肺を予防する。在宅呼吸療法の導入時は訪問看護と密に連携することで安全管理を行い、早期離床とADL再建を推進させる。在宅肺炎の多くは誤嚥を背景とする医療介護関連肺炎(NHCAP)であるため、言語聴覚士による嚥下評価・口腔ケアと、理学・作業療法士による離床・活動性向上を推進する。訪問リハを生活期に限定せず、急性期から終末期までが循環する「ケアサイクル」として捉え、呼吸状態に加え、心不全、脱水などの内部障害を多角的に評価し、増悪の早期発見に努めることが在宅生活の継続と生命予後に寄与する。一方、在宅肺炎治療には人材と時間(訪問頻度)の確保が必須で、制度面で介護保険の制約(20分×週6回)をクリアするため医療保険の適応を検討し、治療密度を最大化する必要がある。事業所内では同行訪問を基本に、ケースカンファレンスを通じて急変時の対応や看取りへの切り替えをシミュレーションし、職員のストレスを最小限に抑えつつ、質の高い急性期ケアを完遂することが求められる。