講演情報
[SY19-1]改定の構造を読む―重症度・医療DX・効率化から見た在宅・外来の算定・運用の要諦―
石塚 秀俊1,2 (1.一般社団法人日本在宅医療医療事務連絡会, 2.株式会社MI-ZA)
伊藤忠商事(株)勤務後、ガリバーインターナショナル経営企画・マーケティング・FC・人事部長を歴任。アクセンチュア等コンサルティング会社にてシニアプリンシパルとして13年間、国・自治体・民間向ヘルスケア・新規事業・市場開発等のプロジェクトマネジメントを担う。2011年より訪問診療・訪問歯科・訪問看護・介護事業の運営マネジメントに従事。医療法人では事務長/統括マネジャーとして在宅医療を中心に海外を含めた事業を統括、数多くの在宅医療・介護事業の利益増を実現。愛知県在宅療養支援連絡会・地域医療研究会事務局なども担当し、地域医療の推進にも貢献。2018年、一般社団法人日本在宅医療事務連絡会を設立(現代表理事)。現在は株式会社MI-ZA取締役として、在宅医療・介護分野を中心にコンサルティングを展開中。
令和8年度診療報酬改定は、2040年を見据えた医療機能の再編と地域包括ケアの深化を軸に、在宅医療・外来領域に広範な変化をもたらしている。本発表では、改定の骨格を俯瞰したうえで、現場実務に直結する三つの論点を中心に整理する。 第一に、在宅時医学総合管理料における月2回算定要件の見直しである。重症患者(別表第8の2・第8の3該当者)の割合が一定水準を下回る場合、月2回算定が制限される新要件は、各診療所の患者構成と経営戦略の両面に直接影響を与えており、自院の方向性を問い直す契機となっている。 第二に、医療DXの活用による施設基準の緩和など、ICTを前提とした制度設計の進展である。一方で、昨今急速に進化するAIエージェントの台頭を踏まえると、既存SaaSサービスへの依存から脱却し、自院の業務実態に即したAI活用基盤の構築を主体的に検討することが、持続可能な診療所運営の鍵となりつつある。 第三に、外部委託・代診医の運用ルール厳格化や多職種間の役割再編など、組織の効率化推進に向けた実装上の課題である。 医療コンサルタントとして複数の在宅療養支援診療所・中小病院に携わる立場から、現場の声を交えながらこれらを提示し、後続登壇者が展開する各論への問題提起として本セッションの議論の土台を提供したい。
