講演情報

[WS20-1]在宅で挑む終末期がん患者の苦痛緩和~緩和的鎮静の決断と多職種の力~

中安 一夫1, 永津 有理1, 山口 健也2, 大屋 清文3, 進谷 憲亮4, 大島 香織5 (1.医療法人博愛会 頴田病院, 2.地域医療機能推進機構 九州病院, 3.ピースホームケアクリニック京都, 4.ファミリーヘルスクリニック北九州, 5.訪問看護ステーションぽっぽスマイル)
<略歴>
2008年 自治医科大学 医学部医学科 卒業
2008年-2010年 山口県立総合医療センター 初期研修医
2010年-2012年 萩市大島診療所
2012年-2013年 山口県立総合医療センター後期研修医 (現 長州総合診療プログラム 1期生
2013年-2015年 周防大島町立東和病院
2015年-2017年 岩国市立美和病院
2017年-2018年 飯塚病院 総合診療科スタッフ
2018年-2020年 頴田病院 一般・地域包括ケア病棟センター長2021年-現在   頴田病院 在宅医療センター長 
<所属学会>
プライマリ・ケア連合学会、内科学会、緩和医療学会、在宅医療連合学会、地域総合診療医学会、病院総合診療医学会
<資格>
総合内科専門医・指導医、家庭医療専門医・指導医、在宅医療専門医・指導医緩和医療専門医・指導医、地域総合診療専門医・指導医、病院総合診療専門医・指導医
在宅終末期がん患者への緩和的鎮静は、適応や開始時期、評価指標、家族説明、多職種連携など多面的課題を伴い、病棟とは異なる在宅特有の制約があります。特に、限られた人員と時間の中で、治療抵抗性の苦痛に直面した際、どの時点で緩和的鎮静を検討し、患者・家族・訪問看護・薬局間で合意形成を行うかは極めて重要です。加えて、急変や症状の急速な悪化により、事前協議が不十分なまま開始せざるを得ない場面も少なくありません。 本ワークショップでは、参加者の多様な経験レベルを考慮し、焦点を「鎮静の実施方法」から「鎮静に至るまでの意思決定プロセスと多職種連携」へ移行します。特に重視するのは、鎮静の判断以前に「本当に治療抵抗性の苦痛なのか」「他にできるケアはないか」という熟慮のプロセスです。現場の看護師が抱える「この判断で良いのか」という葛藤や、医師の意思決定過程が他職種に十分共有されていない現状を踏まえ、事前の多職種での話し合いの重要性を強調します。 90分間・定員60名で、①導入レクチャー(倫理4要件等の基本知識)、②グループワーク(症例検討による「鎮静の前に考えるべきこと」の議論)、③実践知の共有(ICTツール活用など現場での工夫や多職種連携の実践例)の三部構成で実施します。参加者が自らの経験を持ち寄り討議することで、在宅医療における緩和的鎮静の質向上と倫理的妥当性を両立する上で重要な考え方や留意点を明確化します。鎮静の経験がない参加者でも学びが得られる内容を目指し、翌日からの現場で活かせる知見をぜひ持ち帰ってください。