講演情報

[WS20-2]在宅で挑む終末期がん患者の苦痛緩和
~緩和的鎮静の決断と多職種の力~

永津 有理 (頴田病院 在宅医療センター)
1994年3月 麻生医療専門学校 看護科 卒業
1994年4月 株式会社麻生 飯塚病院 勤務 
(整形外科病棟・循環器内科病棟・集中治療室・MayoClinic ExchangeProgram終了)
2013年5月 アップルハート訪問看護ステーション 勤務 在宅医療に従事開始
2017年2月 ハッピーライフ訪問看護ステーション 勤務
2019年4月 頴田病院 在宅医療センター 勤務(現在 特定行為研修受講中)
在宅終末期がん患者への緩和的鎮静は、適応や開始時期、評価指標、家族説明、多職種連携など多面的課題を伴い、病棟とは異なる在宅特有の制約があります。特に、限られた人員と時間の中で、治療抵抗性の苦痛に直面した際、どの時点で緩和的鎮静を検討し、患者・家族・訪問看護・薬局間で合意形成を行うかは極めて重要です。加えて、急変や症状の急速な悪化により、事前協議が不十分なまま開始せざるを得ない場面も少なくありません。
本ワークショップでは、参加者の多様な経験レベルを考慮し、焦点を「鎮静の実施方法」から「鎮静に至るまでの意思決定プロセスと多職種連携」へ移行します。特に重視するのは、鎮静の判断以前に「本当に治療抵抗性の苦痛なのか」「他にできるケアはないか」という熟慮のプロセスです。現場の看護師が抱える「この判断で良いのか」という葛藤や、医師の意思決定過程が他職種に十分共有されていない現状を踏まえ、事前の多職種での話し合いの重要性を強調します。
90分間・定員60名で、①導入レクチャー(倫理4要件等の基本知識)、②グループワーク(症例検討による「鎮静の前に考えるべきこと」の議論)、③実践知の共有(ICTツール活用など現場での工夫や多職種連携の実践例)の三部構成で実施します。参加者が自らの経験を持ち寄り討議することで、在宅医療における緩和的鎮静の質向上と倫理的妥当性を両立する上で重要な考え方や留意点を明確化します。鎮静の経験がない参加者でも学びが得られる内容を目指し、翌日からの現場で活かせる知見をぜひ持ち帰ってください。