講演情報

[R1P-16]鳥取県日南町日野上鉱山産のクインティン石 (Quintinite)

*石橋 隆1、山本 佳弘1、光田 英彦1、下林 典正2、渡部 茜1、藤原 卓1 (1. 公益財団法人益富地学会館、2. 京都大学大学院理学研究科)

キーワード:

クインティン石、炭酸塩鉱物、日野上鉱山、鳥取

 クインティン石(Quintinite)はマグネシウムとアルミニウムの含水炭酸塩鉱物で,理想化学組成はMg4Al2(OH)12CO3⋅ 3H2Oで表される。本邦では,これまでに産出報告のない種であるが,日野上鉱山のクロム鉱床近傍の変斑レイ岩に伴ってクインティン石の産出が確認されたので報告する。日野上鉱山は鳥取県日野郡日南町南西部に位置する。超苦鉄質岩体に胚胎するクロム鉱床のクロム苦土鉱などが採掘された。ズリ(排石捨場)が稲積山の北側の山腹に残されており,蛇紋岩や変斑レイ岩が多くみられる。

 日野上鉱山産のクインティン石は,ズリの変斑レイ岩あるいは灰礬柘榴石を主体とするロディン岩様岩石の表面を覆って,0.1 mm以下の六角薄板状結晶が皮膜状に集合体をなすもののほか(),変斑レイ岩を切る脈で産し,空隙には最大2 mmに達する六角短柱状結晶の群晶が認められる産状などがある。結晶は無色でガラス光沢がある。1方向に顕著な劈開が発達し,破断面には真珠光沢が認められる。ハイドロタルク石と共存する。